子どもの視力を守るために、大人の私たちができること
近年、子どもの視力は低下しています。逆にいえば、生活環境を整えて目に優しい生活を作ってあげれば、子どもの視力をもっとよくすることもできます。
たとえば、以下のことから始めてみてはどうでしょうか。
1.屋外活動を積極的にやってみる
子どもたちに毎日の屋外での遊びやスポーツを奨励しましょう。前述の通り、自然光の下での活動は視力保持に有効です。
家でテレビを見るだけでなく、積極的に外で遊んでみるのもいいでしょう。
2.スクリーンタイムを管理する
スマートフォンで遊ばせると静かになる子どもは多いため、つい使ってしまいますよね。しかし前述の通り、タブレットやスマートフォン、テレビは目にあまりよくありません。
デジタルデバイスの使用時間を制限し、まずは「20・20・20のルール(20分ごとに20秒間、20フィート※約6メートル先を見る)」を実践してみましょう。
3.適切な照明の確保する
教育水準が高くなっているなか、読書や勉強は必須ですし、目のためにそれらを制限するのは得策ではありません。そこで気をつけていただきたいのが「照明」です。
子どもが読書や勉強をする際は、十分な照明を用意し、目への負担を減らしてあげましょう。暗い場所での読書やスクリーンの見過ぎは、視力低下のリスクを高めます。
4.定期的な視力検査をする
どんな疾患でも、検査をしなければ発見することができません。なかなか普段の子どもの生活を注意深く見ていても、子どもの視力は推し量ることができないもの。「視力検査してはじめてわかった」という親も少なくないでしょう。
そこで、定期的に眼科医の検査を受けさせることが大切です。早期発見と対処をしてあげることで、視力低下を防げるほか、視力低下に伴う学力の低下や、生活の障害を防ぐことができるでしょう。
ゲーム機やスマホのデジタルデバイスの登場やSNSでの連絡の取り合い、外で活動する機会が減っているなか、子どもたちの視力低下はある程度仕方のないことかもしれません。
しかし、時代の流れで犠牲になるのは、子どもたちです。そして上記のように、親が子どもたちの視力を回復させるためにできることは多くあります。ぜひ子どもたちの「目の健康」を気にかけてみてください。
秋谷 進
医師