野村総合研究所が2023年3月に発表した純金融資産保有額別の世帯数と資産規模のレポートによれば、日本で総資産5億円以上の「超富裕層」が急増しています。しかも、超富裕層は資産を増やすペースも速くなっています。彼らはどのような資産運用をしているのでしょうか。また、その方法は再現可能でしょうか。富裕層から一般サラリーマンまで、多くの人に資産運用のアドバイスをしてきたシニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。
資産5億円以上の「超富裕層」が急増…彼らはいかにして資産形成をしているのか? (※画像はイメージです/PIXTA)

投資の利益が非課税になる「NISA」を徹底活用する

(※画像はイメージです/PIXTA)
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投資信託で利益が出た場合、利益に対して20.315%の税金がかかります。先ほどの例で、1,500万円投資して3,760万円で売却した場合、2,260万円の利益です。この20.315%、つまり約459万円も税金で引かれてしまいます。大きいですよね。

 

実はこの税金がかからない、とても良い制度があります。2024年からスタートする新NISAです。NISA制度そのものは現在でもありますが、新NISAは大幅にアップグレードされますのでぜひ利用していただきたいです。制度のポイントは以下の通りです。

 

・非課税保有期間に制限はない(無期限で保有可能)

・2024年以降いつでも口座開設できる

・「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、併用が可能

・年間投資枠は「つみたて投資枠」120万円、「成長投資枠240万円」の合計360万円

・非課税保有限度額は全体で1,800万円(うち「成長投資枠」1,200万円)

・売却して枠が空いた場合は枠の再利用が可能

 

新NISAで投資できる商品は決められています。「つみたて投資枠」は金融庁が認めた一定の水準を満たしている投資信託等、「成長投資枠」は上場株式や投資信託、ETF、REITになります。1,800万円までの投資額に対してはいくら利益が出ても税金がかかりませんので、先ほどの例で言えば459万円分の税金がかからないのです。これは大変大きなメリットなので、ぜひ、新NISAを徹底活用していただきたいと思います。

 

富裕層の資産がなぜ大きく増えているのか、現役世代の皆さんはどのように資産形成・資産運用していけば良いのか、そのエッセンスをお伝えしました。この記事が豊かで素敵な人生の一助となれば幸いです。

 

 

濵島成士郎(株式会社WealthLead代表取締役シニア・プライベートバンカー)

1965年神戸市生まれ、千葉県松戸市出身。小学2年生から國學院高校時代までは剣道、信州大学経済学部入学後は夏のバイク、冬のスキーに没頭。

1988年4月、新日本証券(現みずほ証券)入社。生まれ故郷の神戸支店を皮切りに営業店、本社営業企画部門と人事部門、グループ会社での金融プロフェッショナル教育に従事。横浜西口支店等、4店舗の支店長も務める。2度の合併(2000年新光証券、2009年みずほ証券)はあれど、30年に渡る証券マン人生の大半を富裕層個人と中小企業の資産運用、M&A、IPOに携わる。

駆け出しの頃に飛び込みで開拓したお客さまが後年上場を果たし、そのカッコいい姿を見て「いずれ俺もああなりたい!」と起業を夢見るようになる。2011年の東日本大震災を目の当たりにして、「やりたいことに挑戦しないまま死んだら絶対に後悔する!」と若いころからの夢である起業を決意。

2017年12月末みずほ証券を退職、2018年3月、53歳の時に株式会社WealthLeadを創業。全国で約280名(2023年8月現在)しかいない、日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー。YouTube『よくわかる資産運用チャンネルbyWealthLead』の運営もしている。