1.上がる確率が「十分に」高いか
投資家であれば誰もが、株を買うときは、それが値上がりすることを予想しているはずです。
果たして、その株が「値上がりする確率」は、どれくらいあるのでしょうか? もちろん、それを明確に数値化するのは困難です。しかし、大雑把にでも考えてみることが重要かもしれません。
「絶対(100%)上がる」はあり得ないとして、「上がらない確率のほうが高い」「多分上がる」「高い確率で上がる」といった区別ぐらいはできるのではないでしょうか。そして、株取引の運用成績を上げるために重要なことは、「高い確率で上がる」と思える株だけにねらいを絞ることです。
買う株の選定基準を厳しくし過ぎれば、買わずにいた株が結果的に値上がりし、悔しい経験をすることもあるでしょう。しかし、反対に値下がりした場合は、それによって被る損失を避けられたことにもなりますから、ある程度の機会損失は仕方がないと、あきらめることも必要なのかもしれません。
未来を100%正確に予測することは不可能です。
常にそれを前提に置き、「自分の予測は外れるかもしれない」と厳しい想定をして、上がる確率が十分に高い株のみを買い続けることで、結果的に勝率や利益が大きくなっていくのです。
2.もし上がらなくても持ち続けられるか
また、株を買った場合に、しばらく上がらなくても持ち続けられるかどうかも考えたほうがよいでしょう。
株価は需要と供給の問題で変動しており、買いたい人が増えるから価格が上がるのです。ですから、どんなにいい会社の株を適正またはそれより安い価格で買っても、ほかの人がその株を買おうとしない限り、いつまでも株価は上がりません。
株価が上がるためには、ほかの人の買い注文、すなわち自分ではコントロールできない「運」のようなものも必要になるのです。
もちろん、正しい判断をすれば、いずれは運が巡ってきて株価は上がるでしょう。しかし、それがいつ巡ってくるのかは、誰にもわかりません。数日後かもしれませんし、数週間後、数ヵ月後、もしくは数年後かもしれません。
実際、なぜか数年間にわたって割安で放置されていて、なにかのきっかけで株価が急上昇していく銘柄もあります。
そこで大切なのは、配当利回りが高い、もともと割安なため下がりにくく安定感があるなど、上がるまで持ち続けられるメリットがある株を選ぶことです。もし上がらなくても持ち続ける価値のある株であれば、買ってなかなか上がらなくても、運用成績の向上に貢献することでしょう。