バブル後最高のマンション価格はさらに上昇中
首都圏のマンション価格が高騰しています。2021年の首都圏で発売された新築マンションの平均価格は、1戸当たり6260万円とバブル期の1990年を抜いて過去最高となりました。こうした状況は2022年に入ってからも続いているといいます。
民間の調査会社「不動産経済研究所」によると、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で21年に発売された新築マンションの1戸当たりの平均価格が3年連続で前年を上回っています。さらに2022年に入ってもこの勢いは衰えることなく1~11月の平均で6465万円となっています。
バブル景気だった1990年の平均価格は初めて6000万円を突破、6123万円をつけましたが、その後バブルの崩壊とともに首都圏のマンション価格は急落し、4000万円台で推移しました。
バブル景気以前の新築マンションの供給戸数は首都圏で年間4万戸程度でしたが、バブル崩壊後には急増して1994年以降は毎年8万戸前後の供給が続いたことが大きな要因として考えられます。
大量供給の背景には地価との関連があるといわれています。東京圏の地価はバブルの絶頂期の1988年には前年比60%を超える驚異的な上昇率でした。ところがバブル崩壊とともに大幅に下落し、その後は若干の上昇を続けながらもほぼ横ばいの状態が続いていました。
こうしたなかで1994年ごろからマンションの建設ラッシュが始まりますが、2007年ごろから状況は一変します。
リーマンショックで中堅ディベロッパーの破たんが相次ぎ、供給戸数が大きく減少しました。リーマンショック以前の2006年には7万4463戸供給されていましたが、2007年には6万1021戸、2008年には4万3733戸、2009年には3万6376戸まで減少、それ以降も2013年を除けば5万戸未満で推移しています。
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マンション価格高騰の背景には、いくつかの要因があります。第1は…