利益を伸ばしてはいけない
損切りは迅速に行い、利益確定は先延ばして利益を大きくする、いわゆる「損小利大」が勝利の定石のようにいわれています。
思惑と逆方向に相場が動いたら速やかに損切りして損失額を小さく抑え、狙い通りに利益が出た局面では利益確定を早まらず、じっくりと利益を大きくしてから利食いすることで、トータルの利益を大きくしようという考え方です。
この考え方自体は間違っていないと思いますが、これを狙いに行くのは危険であり、生き残るためには逆の思考にならなければなりません。このようなルールを持ってしまうと、利益が伸びるまで放置するトレーダーになりかねないからです。
含み益を見つめながら放置する癖がついてしまうと、含み損に転じたときでもまた戻るまで放置すればいいという心理状態につながってしまいます。
さらに、じりじりと含み益が伸びるのを待っている間に儲けたいという欲望が加速して、反転すると「さっきまで含み益だったのに」という悔しさにも支配されてしまい、損切りが遅れる事態につながりやすいのです。
大きな利益をとれた後、負けの回数が増えたり一度は見た含み益を取り損ねることが続くと、メンタルのボラティリティも大きくなって感情的なトレードに走りやすくなってしまいます。
また、「利大」を意識し過ぎると、ポジションを持っている時間が長くなります。ポジションは長く持てば持つほど、リスクは指数関数的に高まります。
勝率が悪くても利益を伸ばしてトータルで帳尻を合わせるのではなく、研ぎ澄ましたエントリーで勝率を高め、小さな利益を積み重ねていくほうがメンタルも安定します。
損小利大は手法ではなく結果論であり、損小利「小」のトレードを徹底し続けることで結果としての損小利「大」を実現していくのです。
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