全世代の共通の関心ごとといえば、将来の年金額。現役引退後の生活基盤ですから、「いったい、いくらもらえるんだろう……」と不安になるのも頷けるでしょう。簡単にシミュレーションすることもできますが、その結果は「見せかけ」の金額で、実際に手にできる年金額とは乖離があるといいます。みていきましょう。
平均年金30万円だが…65歳・元共働き夫婦がもらえる「本当の年金額」 (写真はイメージです/PIXTA)

平均的な共働き夫婦が「65歳で手にする年金額」

日本人の最大の関心ごとのひとつといってもいい「将来、いくら年金をもらえるか?」。現役を引退し、仕事をして収入を得ることがなくなる老後を生きていくためにも、知っておきたいことです。

 

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が対象で、自営業者や専業主婦が手にする国民年金(老齢基礎年金)であれば、その受給額は「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で計算できます。また会社員や公務員などが対象となる厚生年金(老齢厚生年金)は、加入期間が2003年3月までは①「平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数」、加入期間2003年4月以降は②「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できます。

 

厚生労働省の調査によると、男性会社員(平均年齢44.5歳)の平均給与は月収で34.2万円、年収で554.9万円。一方、女性会社員(平均年齢42.3歳)の平均給与は月収で25.8万円、年収で394.3万円です。男性も女性も年齢と共に給与は上がり、50代前半でピークに達します。

 

【年齢・男女別「年収」の推移】

20~24歳:3,401,800万円/3,131,200万円

25~29歳:4,273,600万円/3,726,300万円

30~34歳:4,959,000万円/3,907,800万円

35~39歳:5,600,500万円/4,111,400万円

40~44歳:6,008,200万円/4,238,500万円

45~49歳:6,360,800万円/4,317,100万円

50~54歳:6,722,600万円/4,315,800万円

55~59歳:6,740,100万円/4,280,700万円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

 

仮に20~60歳まで、平均的な給与を手にしてきた夫婦がいたとすると、65歳から受け取る年金はどれくらいになるのでしょうか。簡易的に上記式の②のみで算出すると、厚生年金部分は男性で10.3万円、女性で7.4万円。国民年金は満額支給だとすると、夫婦で月30.9万円を手にする計算になります。