子どもが生まれると、教育費をはじめ、多くのお金がかかります。そのお金を効率よく準備するには、何よりも家計管理が重要です。では、どのようにすればよいのでしょうか。子どもを2人育てながら1億円を貯めた経験をもつファイナンシャルプランナーの寺澤真奈美氏と作家の寺澤伸洋氏の夫妻が、著書『NISA、保険、助成金もスッキリ分かる 子どもにかかるお金大全』(光文社)から、「家計の穴」を見つける方法を解説します。
「贅沢していないのに…」30代夫婦・世帯年収700万円の「子育て世帯」から“月7万5,000円”が消えていた「家計の穴」とは【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

◆「見える化」で無意識の出費をシャットアウト!

先に述べたとおり、住宅費は家を売却しない限り、動かせない固定費です。そのため、それ以外の部分で改善できることを提案しました。

 

1つは、お金の出入りを正確に「見える化」するために、クレジットカードとキャッシュカードの枚数をできる限り絞ったこと。カードが複数枚あると、明細の確認も煩雑になるため、お金の出入りが把握しきれなくなります。

 

解約を忘れたままのサブスク代や、幽霊会員になっているスポーツジム代などが長年引き落とされたまま放置……といったことも起こりやすくなります。

 

見直すべき出費を見極めるためにも、夫婦あわせて所有していたクレジットカード10枚を4枚に、キャッシュカード8枚は4枚に減らしてもらいました。

 

さらに、「お金管理の仕組みを作りたい」というご希望があったので、家計管理アプリをおすすめしました。毎日の細かな出費をスマホで手軽に振り分けることで、お金に対する感度を高め、衝動的な使い方を予防することにつながります。

 

結果、食費は3万円ダウン、日用雑貨もネットスーパーのセールでまとめ買いするなどでコストを抑えられるようになりました。「制限なくコンビニでスイーツやペットボトルを買ったり、頻繁にカフェに立ち寄る習慣がなくなりました」とAさん。無意識の日々の出費をなくす効果には、筆者自身、いつも驚かされます。

 

加えて、月額3万円の保険についても、もっと保険料の安い掛け捨て保険に変更することで、月額の保険料を1万円程度まで減らすことに成功しました。

 

また、幸い600万円という貯金があったので、こちらについては緊急時の生活防衛資金(生活費の6カ月〜1年分)として、現金でとっておくことを提案しました。

 

そして、「新たに生まれた教育費のための月額資金7万5,000円」の一部はNISAの口座を作って運用することに。はじめの一歩として、夫婦それぞれのつみたてNISAの口座を作り、年間1人40万円、合計年80万円の積み立てをスタート。教育資金として確保して、他の用途のためには手をつけないという覚悟を夫婦で共有してもらいました。

 

想定利回り3%で10年間積み立てれば、およそ920万円になりますから、かなり心強い教育資金となるでしょう。

 

 

寺澤 真奈美

ファイナンシャルプランナー

 

寺澤 伸洋

作家