近年、相続対策や資産運用など、保障以外を目的とした生命保険商品が増えています。特に資産運用を謳いながら、リスクの高い保険商品を勧める営業手法には注意が必要です。本記事では、ニックFP事務所のCFP山田信彦氏が、退職金運用を検討していた60歳男性への「終身移行型変額保険」の勧誘事例とともに、本当に必要な保険の見極め方について解説します。
退職金が狙われる…巧みな話術で「終身移行型変額保険」を勧誘された60歳の定年男性、1,800万円払って「300万円蒸発」の真相【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

本当に必要な保険の見極め方

(※写真はイメージです/PIXTA)
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生命保険はなにかの目的を持って加入するものです。その目的を明確化せずに保険会社に相談をすると、言葉巧みに聞き出した保険への毎月の予算上限額相当で多くの不要な特約が付いたセット商品を作り上げて勧めてきます。

 

さらに悪質なのはその加入目的を保険会社や代理店に伝えても、今回の河島さんのケースのように、似て非なる商品を売り手側の都合で勧めてくる場合です。なにか保険を勧められたら、その商品の固有名詞よりもまずは正確な種類名称(今回であれば「介護保険付き終身移行型変額保険」)を確認しましょう。

 

また「保障部分」と「資産運用部分(「特別勘定」部分)」が一体化した保険を勧められた場合には、それぞれに見合う部分と同等の効果をもたらす単独商品をネット生命保険やネット証券会社などで調べて、その組み合わせと比較することが基本動作となります。ほぼ例外なく「保障」と「資産運用」をわけて対応するほうが有利となるでしょう。

 

 

山田 信彦

ニックFP事務所

代表