FXでは、相場全体の流れがよく、たまたま勝つことはよくあることです。しかし、偶然の利益をあたかも自分の手柄のように考えてしまうことは非常に危険であると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。本記事では、プロトレーダーと初心者トレーダーの「まぐれ勝ち」に対する意識の差について解説します。
FXの沼に落ちる…「偶然の勝ち」を勘違いしたトレーダーの末路【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

初心者トレーダーの「勝ち」はほとんどのケースで「たまたま」!?

FXでトレードするにあたって、戦略を立てながらトレードする人がほとんどでしょう。FXを始めたての初心者トレーダーでも、簡単なテクニカル分析を用いながらトレードしているはずです。

 

そして、誰でも戦略を立てながらトレードするからには、戦略どおりに相場が動き、自分の利益に繋げたいと考えるでしょう。結果的に自分の予想が当たって利益が出たとしても、本当に自分が立てた戦略が利益の要因になったのかは誰にもわかりません。しかし、トレードを進めていけば、本当に戦略をもとに利益を出せているかどうかはわかります。

 

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

 

プロトレーダーのように自分で戦略を立てられる人は、月単位や年単位でプラスの成績を収めることができます。対して、自分がしっかり戦略を立てていると勘違いしてしまうトレーダーでは、長期の成績はマイナスになることがほとんどです。トレードの実力を測るためには、長期での成績を参考にする必要があるのです。

「偶然の勝ち」を勘違いしたトレーダーの末路

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

 

自分が才能溢れるトレーダーと思うほどの利益を上げた経験がある初心者トレーダーは多いかもしれません。しかし、常にプラスの収益を収めることは難しく、勝ち続けていた初心者トレーダーも、時間が経てば多くの人が不安定な収益に戻ってしまいます。

 

偶然にも勝ち続けている段階で「自分は才能ある、勝てるトレーダーなんだ」と勘違いしてしまうと、さまざまなリスクのあるトレードを誘発してしまいます。

 

たとえば、「調子がいいので取引ロットを上げてしまう」ことや「エントリー回数が増えてしまう」ことが挙げられます。前者は、自分は稼げるトレーダーなのだという勘違いから、より多くの利益を得ようとする欲求から生じる行動です。後者の取引回数を増やす行為も、早くたくさん稼ぎたいという欲求が爆発して起こります。

 

しかし、先ほども説明したとおり、戦略でなく偶然で稼げる期間はほんのわずかな時間です。この偶然を意識していないと、ロットを上げすぎたことによるロスカットや、エントリー回数を増やしたことによる無駄な損切りが起こります。

 

一度、このような勘違いの状態になってしまうと、自分を否定できるメンタルの強さがある人以外は損切りとロスカットの無限ループに嵌り、最終的にはFXの世界から退場してしまいます。