忙しい朝の時間、朝食は食べたほうが良いと頭で分かっていても、実際にはなかなか食べられないという人は少なくないでしょう。そのようななか、東京西徳洲会病院小児医療センターの秋谷進医師は「朝食を摂ることで、栄養補給以外にもさまざまなメリットがある」といいます。具体的にはどんな良いことがあるのか、また反対に、食べないことで身体にどんな悪影響があるのか、みていきましょう。
朝食を「毎日食べる子」と「そうでない子」の“決して埋まらない”差【小児科医が熱弁】 (※写真はイメージです/PIXTA)

海外でも認識されている「朝食」の重要性

たとえば、スペインに住む4歳から14歳の若者を対象とした研究では、朝食を家に食べるのと比較して

 

● 朝食を抜くと3.29倍

● 朝食を外で食べると2.06倍

 

心理社会学的に問題行動を起こしやすいことが言われています。

 

このように文化的な背景が異なっていても、朝食は非常に大切な健康習慣の1つなのです。

朝食の効果をより上昇させる大切な「ポイント」は?

実は、朝食の効果をよりアップさせる大切なポイントがあります。それは「家族と一緒に」朝食をとることです。

 

実際「家族と一緒に朝食をとる」ことの有用性について、17の研究をまとめた182,836人の子どもと青年(年齢層:2.8〜17.3歳)を対象とした論文があります。

 

その報告によると、週3回以上家族で食事をする子どもは、週3回未満の子どもを比較して

 

● 太り過ぎになる確率が12%減少

● 不健康な食べ物を食べる頻度が20%減少

● 摂食障害に関与する可能性が35%減少

 

といった効果が実証されました。

 

もちろん、朝食自体も1日のスタートを決めるのに大切ですが、「どこで」「誰と」食べるかも同じくらい重要であると言えますね。

 

家族との朝食は健康への第一歩

このように、朝食は単なる「栄養補給」ではありません。

 

朝食は学力・体力・心理社会面での向上や他の健康習慣の獲得に至るまで、さまざまな健康パワーが秘められています。

 

さらに、家のなかで家族と一緒に食べることで、より朝食の健康効果を高めることができます。

 

日々をより健康にすごしたいと思われるなら、まずは朝食から見直してみましょう。きっとよりよい毎日を過ごすことができるようになりますよ。

 

 

秋谷 進

東京西徳洲会病院小児医療センター

小児科医