年末の風物詩の1つとしてジャンボ宝くじはすっかり定着している。今年も最高当せん金は1等前後賞合わせて10億円。昨年までと同様の一攫千金のチャンスだ。しかし、細かい点では変更となった部分もある。変更された点をみながら、今年はどう狙うべきか、ニッセイ基礎研究所の篠原拓也氏が解説します
年末ジャンボ、今年の狙い目は?ドキドキ感とワクワク感の味わい方 (写真はイメージです/PIXTA)

ジャンボは「一攫千金を狙いつつ1万円も当てたい」

年末ジャンボ宝くじには、「年末ジャンボ」と「年末ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞合わせて10億円」のうたい文句で販売されるのは、年末ジャンボだ。これに対して、年末ジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円にとどまる。

 

年末ジャンボについては、宝くじ1枚あたりの各賞の当せん金や当せん確率が、一昨年、昨年と全く同じ内容となっている。3年連続で同じ内容ということで、この宝くじは一種の完成形に達している、ということなのかもしれない。1等7億円は、1ユニット(2000万枚)あたり1本出る。1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.995円だ。

 

じつは、年末ジャンボは、一昨年の宝くじで、5等1万円の当せん本数が大幅に増やされた。1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニットあたり6万2246本となっている。これは平均的にいうと、1枚300円のくじを322枚買ったら、その中に1万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、くじを322枚買うためには9万6600円が必要なので、平均的には持ち出しとなる。年末ジャンボは「一攫千金狙いを中心に据えながら、当せん金1万円も当てたい」という願いにかなっている。

100万円以上の当せんに照準を合わせたミニ

一方、年末ジャンボミニはどうか。当せん金の最高額は1等前後賞合わせて5000万円にとどまる。年末ジャンボミニは、2等以下について、昨年のものから大きな変更が行われている。

 

◆年末ジャンボミニの主な変更点

(1) 当せん金100万円の2等(当せん本数は、1ユニット(1000万枚)あたり700本)を新設

(2) 当せん金5万円と1万円の等級(昨年の2等と3等)を無くした

(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、150円のまま変わらず)

 

つまり、今年の宝くじでは、当せん金5万円や1万円の等級をすべて100万円の当せん金に組み替えた形となっている。当せん金100万円の狙いに、大きくシフトした格好だ。

 

これにより、1ユニット(1000万枚)あたり、100万円以上が当たるくじの本数は、昨年の12本から、今年は712本へと大幅に増加する。100万円以上の当せん確率は、年末ジャンボの30倍以上にものぼる。(年末ジャンボは、1000万枚あたり23.5本の当せん。) 億円単位の高額当せんの夢は、年末ジャンボにまかせて、年末ジャンボミニは100万円以上の当せんに照準を合わせたものといえる。

 

これは平均的にいうと、1枚300円のくじを1万4045枚買ったら、その中に100万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、くじを1万4045枚買うためには421万3500円が必要なので、平均的には持ち出しとなる。

 

年末ジャンボミニは当せん金の最高額は5000万円と低いが、100万円以上が当たる確率が高く設定されている。「100万円以上の当せんの確率を高めたい」という期待に応える内容となっており、なかなか魅力的といえるだろう。