子を持つ家庭では「我が家の収支状況で子を私立中学に通わせられるのか?」と考えることもあるでしょう。本記事では、FPオフィスライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏のもとへ相談に来た世帯年収1,000万円の家庭の事例をもとに、どのような収支状況なら安心して中学から私立を選択できるのか、解説します。
40代の共働き夫婦…世帯年収1,000万円で「子ども2人とも中学受験」は厳しいですか?【FPの回答】 (※写真はイメージです/PIXTA)

年収1,000万円「住居費と教育費」のせめぎ合い

東京都内在住「年収1,000万円・子供2人世帯」の暮らしは住宅費と教育費で精一杯なのが現状です。特に教育費は後半の大学進学でピークを迎えます。私立大学文系に通う場合の教育費について、日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」より、入学費用約80万円、在学費用は4年間で約600万円、総額は約680万円。子供が2人の場合、大学費用だけで1,400万円弱です。小学生のうちが貯めどきといわれており、その時期に中学受験塾に通うとなると、貯金できない状態になります。

 

住宅購入の際に組むローンが、家族のライフプランを大きく左右します。住宅購入前、賃貸の家賃15万円、食費は5万円でしたが、子供の年齢とともに8万円にまで上昇し、光熱費も増えました。末子の教育費が終わるのは夫55歳、そこから老後費用を貯めることになります。住宅ローンは繰上げ返済しない場合、70歳完済です。現状のままでは、中学から受験するのは、人生後半の資金繰りがキツくなるため、おすすめできません。

 

支出を見直す、長く働く、夫と妻の収入を増やすことが絶対条件です。それでも不足が予想される場合には奨学金や国の教育ローンを借りるなど家族総力戦で乗り越えられるか、しっかり検討が必要です。

 

 

 

山内 真由美

FPオフィス ライフ&キャリアデザイン

代表