「国立中学」とは?
中学受験には3つの選択肢があります。私立中学校、都立・府立等の公立中高一貫教育校、そして国立中学校です。国立中学は国立大学の附属学校であり、義務教育過程である中学において入学金および授業料はかかりません。全国に72校、約3万人(中等教育学校含む)が通っています。
なかでも、「筑波大学附属駒場中・高等学校」は「筑駒」の愛称で知られ、その東大進学率は、難関私立中高一貫校に匹敵する進学実績となっているのです。2022年度の東大合格者数が最も多い学校は「開成」でしたが、卒業生に占める東大現役合格者の割合が最も高いのは「筑駒」です。
学費負担が私立と比べて少ないのにもかかわらず、学力水準が高い国立中学について、その魅力や特徴を解説していきます。
「全国学力テスト」の結果からみる、国立中学の驚きの学力
「全国学力・学習状況調査」は、文部科学省が年に1回実施する学力調査で、全国の小学校6年生および中学校3年生を対象に実施されます。令和4年の調査結果から公立、私立、国立の中学校における学力の違いをみていきます。なお、テストの実施率は国立100%、公立99.7%、私立は44.3%です。
国語・数学・理科の3教科で実施され、中央値で比較すると「国語」は14問中、国立12点・私立11点・公立10点、「数学」は14問中、国立11点・私立9点・公立7点、「理科」は21問中、国立15点、私立12点、公立10点、全教科で国立の点数が上回っています。
理科の得点分布を公立と国立で比較すると、公立はまんべんなく分布しているのに対し、国立は中央値15点を中心に、前後3点以内に集中しており、クラス全体の学力が上位層に集中していることが解ります。やはり高い学力の仲間と切磋琢磨する環境に身をおけるというメリットがあるようです。