修学支援のあり方を検討している文科省の有識者会議。返済義務のない「給付型奨学金」に関して、所得制限緩和の検討を始めました。しかしその報道に対しては疑問の声が……みていきましょう。
年収380万円以上に対象拡大、ただし子は3人以上…「給付型奨学金」所得制限緩和も疑問の声「やっぱり国はケチ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

給付型奨学金の所得制限緩和も「子どもは3人以上」が条件か

文部科学省の有識者会議で、新たな高等教育の修学支援制度が議論され、「世帯年収380万円未満」だった「給付型奨学金」の対象を、「年収380万円以上・扶養する子供が3人以上いる多子世帯」に広げることを検討。年内にも制度の詳細をまとめるとしています。

 

検討案で懸念されるのが「子どもの定義」。たとえば3人きょうだいで、第1子が扶養から外れたら要件を満たさなくなり、第2子、第3子が支給対象でなくなることが想定されます。有識者会議は年内に制度の詳細をまとめるとしていますが、この報道を受けて、ネット上ではさまざまな声が寄せられています。

 

——子ども3人以上って……子ども1人を大学に行かせるのも厳しいのに

——ギリギリ所得対象外の家庭はツラい

——子どもの教育に投資しない日本、ほんとケチだな

——学力で線引きすべき。でないと、税金をどぶに捨てることになる

——大学の教育レベルを精査すべき

——所得制限をなくして

 

そもそも現行の給付奨学金制度は2020年4月からスタートしたもの。要件は以下のようになっています。

 

■対象の学校

一定の要件を満たし、国等が確認した大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校

■対象の学生

世帯収入や資産の要件を満たしていること

進学先で学ぶ意欲があること

■世帯年収の要件

世帯年収に応じた3段階の基準で支援額が変わる

第Ⅰ区分(住民税非課税世帯):世帯年収~270万円

第Ⅱ区分:~300万円

第Ⅲ区分:~380万円

■支給額

第Ⅰ区分(住民税非課税世帯)の場合は、以下の通り。第Ⅱ区分、第Ⅲ区分の場合は、それぞれ第Ⅰ区分の2/3、1/3

・大学・短期大学・専門学校(国公立):「自宅通学」約35万円、「自宅外通学」約80万円

・大学・短期大学・専門学校(私立):「自宅通学」46万円、「自宅外通学」約91万円

・高等専門学校(国公立):「自宅通学」約21万円、「自宅外通学」約41万円

・高等専門学校(私立):「自宅通学」約32万円、「自宅外通学」約52万円