高齢化に伴い、老後、介護を必要とする人は増え続けています。それに伴い「将来、介護が必要になったら」という不安は大きくなるのと同時に、「誰かの介護をすることになったら」の心配も大きくなっています。そのとき経済的な負担がかかる場合も みていきましょう。
平均258万円…2,000万円以上もかかることもある「認知症介護」厳しすぎる現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

介護費用「自身で賄う人」が圧倒的に多いが、なかには…

介護が必要になった場合、介護費用はどうするのか。2017年に内閣府が行った『高齢者の健康に関する調査』によると、「年金等の収入でまかなう」が63.7%、「貯蓄でまかなう」が20.5%、「収入や貯蓄ではまかなえないが、資産を売却するなどして自分でまかなう」が4.0%、「子などの家族・親戚からの経済的な援助を受けることになると思う」が3.2%。割合としては多くはないものの、自身の経済力だけでは介護負担は賄いきれないと考えているようです。

 

太陽生命少子高齢社会研究所『認知症介護に関する調査』によると、認知症介護にかかる費用は平均258万円。最多は「50万円未満」で20.2%、「500万円以上」が18.5%、「100万〜150万円未満」が14.7%、「50万〜100万未満」が13.3%と続きます。「2,000万円以上」も2%いました。

 

介護期間は平均4.9年。「2年〜3年未満」が最多で15.8。「3年〜4年未満」15.2%、「10年以上」14.7%、「1年~2年未満」12.1%。一方で介護離職者に限ると、平均6年で「10年以上」が22.6%。介護期間の長期化により、会社を辞めざるを得なくなる状況が深まるよう。厚生労働省の調査によると、毎年9〜10万人が介護を理由に退職しています。

 

そんな介護経験者の9割強が、「認知症の症状を理解しておくこと」「公的介護保険の仕組みや地域での支援サービスを理解しておくこと」が必要と回答。また経済的負担を少しでも軽減するためにも、「親を扶養に入れる」「障害者手帳の取得」など、高額介護サービス費制度や高額医療・高額介護合算療養費制度のほかの方法もきちんと知っておきたいもの。自身が介護を受ける側になることはもちろんのこと、介護をする側になることも視野に、普段から家族と話し合っておくことが重要です。