FXに関する書籍を読んだことはありますか? プロもFXの本を読みますが、初心者トレーダーは同じ本を読んでも、なかなか収益が好転しない人が多いと、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。本記事では、FXの学習をする際の、書籍の効率的な活かし方について解説していきます。
FXに必勝法はない…プロトレーダーが「FXの本」から学んでいること ※画像はイメージです/PIXTA

なぜFXの名著を読んでもトレードに成果が出ないのか

世のなかにはさまざまなFXに関する書籍が出版されています。テクニカル分析やメンタル管理、億り人になるためのロードマップなどジャンルもさまざまですべての本を網羅することは難しいでしょう。

 

また、有名な投資家がバイブルとするような書籍もたくさん存在します。そして名著と呼ばれるような書籍は、初心者からプロのトレーダーまで幅広い層に読まれています。加えて、これらの書籍はプロのトレーダーに知恵と経験を与え、さらなる収益の機会を提供しているでしょう。

 

しかし、プロトレーダーが書籍からさまざまな経験を得る一方で、なかなか収益が好転しない初心者トレーダーが多く存在します。

書籍から正解を求める初心者トレーダー

初心者トレーダーは為替相場にひとつの正解とその正解を導き出す法則があると考える傾向があります。しかし、FXの世界では数学のテスト問題のようにたったひとつの正解は存在しません。

 

初心者トレーダーが名著と呼ばれる書籍を読んでも結果が出ないのは、存在しない正解を求めているからです。存在しないものを一生懸命に追いかけていてもゴールには近づけません。さらに、初心者トレーダーは相場の動きに理由を付けたがる傾向にあります。

 

しかしながら、FXの世界ではさまざまな事情が複雑に絡み合っていて、ひとつの原因によって相場が動くことはまずありません。初心者トレーダーは相場の動きに理由をつけることによって自分の選択を正当化する傾向があります。そのため、初心者トレーダーは必死にOO理論やXXの法則などの相場に理由を付けやすい理論を覚えようとするのです。

 

しかし先述したとおり、FXの世界ではたったひとつの正解はありません。そして複雑に情報が絡み合うなかで、確実に機能する理論や法則も存在しません。

 

その結果、正解や理論を実際のチャートで追い求める初心者トレーダーは相場のイレギュラーに対応できず、収益が軌道に乗りません。この相場に正解や理由を求める考え方を変えない限り、名著と呼ばれる書籍と出会っても消化不良に終わってしまうでしょう。