「30代の人はどのぐらい貯金があるのだろう」と気になっている人もいるでしょう。その理由として、30代は結婚や出産、住宅の購入など、お金のかかるイベントが多いからです。
この記事では、30代の平均貯蓄額と、どのように貯蓄すればよいのかについて解説します。
1. 30代の平均貯蓄額
30代の平均貯蓄額(貯金や株式、投資信託などの合計)はいくらぐらいでしょうか?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年調査)」で見てみましょう。
1.1. 30代単身世帯の貯蓄額
- 平均 606万円
- 中央値 56万円
金融資産保有額の比率は、以下の通りです。
金融資産保有額 |
比率(%) |
100万円未満 |
17.9% |
100~200万円未満 |
7.3% |
200~300万円未満 |
5.9% |
300~400万円未満 |
4.2% |
400~500万円未満 |
2.5% |
500~700万円未満 |
5.6% |
700~1,000万円未満 |
7.0% |
1,000~1,500万円未満 |
3.4% |
1,500~2,000万円未満 |
2.5% |
2,000~3,000万円未満 |
1.4% |
3,000万円以上 |
3.6% |
金融資産非保有(貯蓄なし) |
36.3% |
(出典:令和3年(2021年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査])
単身世帯の平均貯蓄額は「606万円」でした。ただし、平均貯蓄額は一部の高所得者層によって金額が大きく上昇する傾向があります。
そのため、金融資産非保有(貯蓄なし)が36.3%と3分の1を超えているのを考えると、中央値の「56万円」がより実態を表しているといえます。
1.2. 30代2人以上世帯の貯蓄額
- 平均 752万円
- 中央値 238万円
金融資産保有額 |
比率 |
100万円未満 |
11.5% |
100~200万円未満 |
9.9% |
200~300万円未満 |
7.0% |
300~400万円未満 |
6.8% |
400~500万円未満 |
4.4% |
500~700万円未満 |
9.4% |
700~1,000万円未満 |
6.7% |
1,000~1,500万円未満 |
6.4% |
1,500~2,000万円未満 |
4.1% |
2,000~3,000万円未満 |
3.7% |
3,000万円以上 |
3.3% |
金融資産非保有(貯蓄なし) |
22.7% |
(出典:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果)
2人以上世帯の平均貯蓄額は「752万円」、中央値は「238万円」となりました。
そして、金融資産非保有(貯蓄なし)は22.7%となっています。
2. 30代以降にかかるお金を考える
お金を貯めるときは、ライフプランを考える必要があります。ライフプランとは、将来の自分の人生設計図です。人生のなかでは、就職、結婚、子どもの教育、家の購入などさまざまなイベントが発生し、その都度、お金が必要になります。
そのため、このような人生のさまざまなイベントにおいて、どれだけのお金がかかるかを考えたり、病気や災害などの不測の事態に備えたりすることが必要です。また、老後や相続について考えることもライフプランの一環といえるのです。
特に30代以降は結婚や出産、住宅の購入など大きなイベントが控えています。そのときにかかる費用を把握し、貯蓄をしておくことが大切です。
3. おすすめの貯蓄方法
それでは、おすすめの貯蓄方法について解説します。
3.1. 先取り貯金
お金がなかなか貯まらないという人は多いでしょう。毎月の収入から残ったお金を貯金しているのであれば、お金を貯めるのは困難です。お金があると、つい使ってしまう可能性が高いからです。
確実にお金を貯めたいのであれば、収入の残りを貯金するのではなく、給与天引きなどの方法で先取りして貯金することが効果的です。先取り貯金することで、知らず知らずのうちにお金が貯まり、いつの間にかまとまったお金が手に入るからです。
先取り貯金の基本は、勤務先の「社内貯蓄制度」や「財形貯蓄制度」を利用することです。これらの制度を利用することで、毎月貯めたい金額を給与から天引きしてくれます。
勤務先にこのような制度がない場合は、銀行の「自動積立定期預金」を利用しても同じような効果が期待できます。自動積立定期預金では、毎月指定した日に指定した口座から、定期預金口座へと自動でお金を振り込んでくれます。
また、普通預金や定期預金の他に、お金を貯めるための口座として利用できる「貯蓄預金」があります。貯蓄預金は残高が増えるほど適用金利が段階的に高くなる預金で、「スイングサービス」を利用すれば、普通預金から残高を自動的に移動できて便利です。
3.2. 投資を始める
将来に向けてお金を準備するために、資産運用を行う必要があります。この資産運用には大きく分けて、「貯蓄」と「投資」の2つがあります。
色々な考え方がありますが、一般的に「貯蓄」とはお金を貯めることで、「投資」とはお金を運用して利益を生みだして資産を増やすことを指します。株式や投資信託などの購入は投資の一例になります。
低金利の時代なので、銀行預金などの貯蓄だけでお金を増やすことは大変です。そのため、持っている資産をより増やしていくためには、投資を活用することが今後ますます重要になります。
3.3.「つみたてNISA」で投資を始める
投資を始めるには「つみたてNISA」がおすすめです。つみたてNISAは、少額からの「長期・積立・分散」投資を支援するための非課税制度です(2018年1月より開始)。
つみたてNISAの対象商品は、投資信託や上場投資信託(ETF)に限定されています。手数料が安いので、初心者をはじめ幅広い年齢層の人に利用しやすくなっています。
ちなみに、非課税投資枠は年間40万円で最長20年間なので、最大投資額は800万円(=40万円×20年間)です。
対象となる投資信託などの購入は、購入する銘柄を指定し、定期的に一定額を購入する方法に限定されます。ただし、購入は自動的に行われるため、投資タイミングを気にする必要はありません。
「お金がないと投資できない」と考えている人でも、投資信託はネット証券を利用すれば100円から購入できるので、何から始めたらいいのかわらないという方は、つみたてNISAを検討してみましょう。
4. つみたてNISAのおすすめ証券会社
つみたてNISAを始めるのにおすすめの証券会社を紹介します。
4.1. SBI証券
SBI証券は最低100円から投資信託が購入できるので、まとまった資金がなくても問題ありません。また、幅広い商品ラインナップを取り揃えているので、自分に合った投資信託を選ぶことができます。
そして、SBI証券では「つみたてNISA」を設定するための専用画面を新たにリリースされました。専用画面では、積立枠の利用状況が一目でわかるグラフや、積立設定の一覧が表示されるので便利です。
この画面から複数の銘柄の積立設定を一度に行えるため、誰でも簡単に積立管理ができます。
4.2. 楽天証券
楽天証券では、つみたてNISAの対象商品が181本あります(2022年8月31日時点)。楽天ポイントで投資信託を購入できたり、投資信託の積立に楽天キャッシュを利用できたりするなど、楽天証券ならではのメリットもあります。
もちろん、つみたてNISAの口座開設手数料・管理手数料・買付手数料などは無料です。
5. まとめ
30代の平均貯蓄額は606万円(単身世帯)、752万円(2人以上世帯)でした。ただし、平均貯蓄額は一部の高所得者によって金額が大きく上昇するので、参考程度にしてください。
それよりも、先取り貯金やつみたてNISAなどを活用し、将来のお金の不安を軽減する準備を1日も早く始めることが今後大切になってきます。