インデックス投資とは、株式指数などに連動するように作られた商品に投資することです。インデックス投資のメリットは、リスクの分散や少額投資が可能、自分で銘柄選定をする手間がない、手数料が少ないことなどが挙げられます。デメリットも併せて説明するので、投資初心者の方はぜひ本記事を参考にしてください。
インデックス投資のメリット・デメリットは?投資初心者にもおすすめしたい理由を解説 (※画像はイメージです/PIXTA)

初めての投資で、投資信託の利用を考える方もいらっしゃるでしょう。投資信託の種類には、大きく分けて「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類があります。

 

では、インデックスファンドに投資するインデックス投資とは、どのような方法なのでしょうか?

 

この記事では、インデックス投資のメリット・デメリット、始め方について紹介します。

1. インデックス投資とは?
2. インデックス投資のメリット
2.1. リスク分散できる
2.2. 銘柄を決める手間がない
2.3. 少額投資が可能
2.4. 手数料が少ない
3. インデックス投資のデメリット
3.1. 元本割れのリスクがある
3.2. 短期投資では効果が出にくい
4. インデックス投資の始め方
5. まとめ

1. インデックス投資とは?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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インデックス投資とは、指数に連動するように運用する投資方法です。

 

指数には、株式指数・債券指数・コモディティ指数などがありますが、日本人がインデックス投資の指数として選ぶ代表的なものは下記のとおりです。

 

  • 日経平均225…日本を代表する225社を対象にした株価指数
  • TOPIX(東証株価指数)…東京証券取引所に上場する銘柄を対象にした指数
  • ダウ・ジョーンズ工業株価平均…米国を代表する30社を対象にした株価指数
  • S&P500…S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の代表的な株価指数

 

インデックスに連動した投資商品は、投資信託・ETF(上場投資信託)などで運用できます。

 

投資信託では、投資のプロであるファンドマネージャーが運用方針や構成銘柄を決めてファンドを運用します。ベンチマークとする指数を上回る運用を目指す商品をアクティブ投資と呼びますが、運用コストがかかるのでインデックス投資に比べると手数料がかかる傾向にあります。

 

一方のインデックス投資は、ベンチマークに連動するように設計された商品なので、運用の手間がかからずコストを抑えることができます。指数のパフォーマンスを上回る利益を得ることはできませんが、ベンチマークとする指数が好調に推移すれば利益を得られる可能性が高いので、何の指数に投資するかが重要になります。

2. インデックス投資のメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、インデックス投資のメリットについて説明します。

 

2.1. リスク分散できる

株式投資で好きな銘柄に投資をすると、その企業が業績不振に陥ったり、不祥事を起こしたりした場合に大きく株価が下落する恐れがあります。インデックス投資の場合は、特定の銘柄に投資するわけではないので、リスク分散が可能です。

 

ただし、リーマンショックのような世界的に株価全体が下落するような経済危機に陥った場合には価格が下落するので、その点は理解しておきましょう。

 

2.2. 銘柄を決める手間がない

株式投資では、どの企業に投資するかを決める必要があります。会社の将来性や財務状況まで確認するのは、初心者にとってはハードルが高いです。

 

一方、インデックス投資であれば個別の銘柄の選定は必要ありません。どの指数に連動する商品に投資するかを決める必要はありますが、株式投資に比べると手間は少ないといえます。

 

2.3. 少額投資が可能

投資信託は、100円から少額投資が可能です。そのため、余裕資金が少ない人でも気軽に始めることができます。

 

一方、日本株に投資する場合は100株からの購入となるので、数万円から数十万円の資金が必要です。また、リスク分散のために複数社に投資しようと思えば、必要となる金額は大きくなります。

 

2.4. 手数料が少ない

インデックス投資は運用コストが小さいため、手数料が少ないというメリットがあります。

 

たとえば、投資信託の場合、アクティブ投資に比べるとインデックス投資のほうが圧倒的に手数料は低いです。インデックス投資で人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、購入時の手数料はかからず、信託報酬は0.1144%以内です。

 

一方、テクノロジー関連の米国企業の株式への投資を対象としたアクティブファンド「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は、購入時の手数料が3.3%、信託報酬が2.09%かかります。

3. インデックス投資のデメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

インデックス投資のデメリットについても紹介します。

 

3.1. 元本割れのリスクがある

インデックス投資は、一極集中の株式投資などに比べると値動きが緩やかになるものの、経済状況によっては価格が下落する局面も出てきます。その結果、元本割れのリスクが発生する可能性があることを把握しておきましょう。

 

引用元:テクニカルチャート | マーケット情報 | 楽天証券 (trkd-asia.com)
[図表1]1990年からのS&P500の推移(引用元:テクニカルチャート | マーケット情報 | 楽天証券(trkd-asia.com)

 

上のチャートは、1990年からのS&P500の推移です。リーマンショックなどの影響を受けながらも、2021年までは右肩上がりのチャートでした。

 

しかし、2022年に入ってからは欧州の利上げの影響もあり、株価は大きく下落しています。そのため、2022年になってからS&P500に連動した投資信託を購入していた場合は、元本割れしている可能性が高いです。

 

3.2. 短期投資では効果が出にくい

インデックス投資は株価指数に連動し、ある国や地域の経済の成長とともに徐々に上昇するのが特徴です。そのため、短期間で利益を出したい人には向いていません。

4. インデックス投資の始め方

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

インデックス投資は、まず証券会社で口座を開設し、インデックス型の投資信託やETFに投資を行います。つみたてNISAでもインデックスファンドを選ぶことができるので、投資初心者にはおすすめです。

 

ちなみにつみたてNISAは、2018年1月からスタートした少額・長期・分散投資を支援するためにできた制度です。年間40万円(月々33,333円)まで積立ができ、売却益は運用開始から20年間非課税になります。つみたてNISAは、金融庁が許可した214本の銘柄のなかから選ぶことができ、そのなかでインデックス投資は184本を占めます。

5. まとめ

インデックス投資は、投資初心者におすすめしたい投資方法です。指数に連動するので、大きく値が動くことはないものの、リスク分散ができる点や手数料が低い点、少額から始められることがメリットになります。

 

また、売却益に非課税枠のあるつみたてNISAでもインデックスファンドを選ぶことが可能です。そのため、投資初心者の方は、つみたてNISAから始めることをおすすめします。