時価総額は企業の価値を表す数値で、投資判断のひとつとして利用されています。この記事では、日本と世界の企業の時価総額ランキングを紹介し、時価総額が高い会社に投資することの意味合いを見ていきます。
国内・全世界の時価総額ランキング…時価総額が高い会社に投資するのは安心か? (※画像はイメージです/PIXTA)

株式投資をする際には、企業を分析するために様々な指標を確認します。そのなかでも「時価総額」は、会社の価値を測るために必ずチェックされる指標といってよいでしょう。

 

この記事では、時価総額についての基本的な情報や日本及び世界の時価総額ランキング、投資をする際にどのような目線で見ればよいのかを解説します。

1. 時価総額とは?
2. 国内の時価総額ランキング
3. 世界の時価総額ランキング
4. 投資するなら時価総額が大きい会社が安心?
5. まとめ

1. 時価総額とは?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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時価総額は、企業の価値と言われており、株式投資を行う際の指標のひとつにもなります。

 

時価総額の計算方法は、下記のとおりです。

 

「時価総額=株価×発行済み株式数」

 

たとえば、株価1,000円の会社が発行する株式数が50万枚の場合、この会社の時価総額は5億円となります。

2. 国内の時価総額ランキング

(※画像はイメージです/PIXTA)
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2022年7月26日時点の日本企業時価総額ランキングは、下記のとおりです。

 

順位

企業名

時価総額(円)

1位

トヨタ自動車

35,436,152,763,120

2位

ソニーG

14,824,016,335,655

3位

NTT

14,049,787,092,624

4位

キーエンス

13,157,535,704,400

5位

KDDI

10,223,644,663,350

6位

ソフトバンクG

9,860,464,196,790

7位

三菱UFJ

9,851,255,780,504

8位

ファーストリテイリング

8,444,523,754,160

9位

リクルート

7,909,957,579,920

10位

任天堂

7,820,711,180,000

 

日本を代表する自動車メーカー「トヨタ自動車」の時価総額は、35兆円と圧倒的な時価総額の高さです。2位のソニーグループと比較すると、約20兆円の差があります。

 

いまや世界的なブランドとなったユニクロを運営するファーストリテイリング、世界中に熱狂的なファンがいるポケモンを生み出した任天堂がランクインしているのが印象的です。

3. 世界の時価総額ランキング

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

次に、2022年6月末時点での世界の時価総額ランキングを紹介します。

 

順位

企業

時価総額

1位

サウジアラムコ

2.27兆ドル

サウジアラビア

2位

アップル

2.21兆ドル

アメリカ

3位

マイクロソフト

1.92兆ドル

アメリカ

4位

アルファベット

1.44兆ドル

アメリカ

5位

アマゾン

1.08兆ドル

アメリカ

6位

テスラ

6,977億ドル

アメリカ

7位

バークシャー・ハサウェイ

6,025億ドル

アメリカ

8位

ユナイテッドヘルス

4,819億ドル

アメリカ

9位

ジョンソン&ジョンソン

4,671億ドル

アメリカ

10位

テンセント

4,460億ドル

中国

11位

メタ・プラットフォームズ

4,364億ドル

アメリカ

12位

台湾セミコンダクター

4,239億ドル

台湾

13位

ビザ

4,167億ドル

アメリカ

14位

貴州茅台酒

3,835億ドル

中国

15位

エヌビディア

3,778億ドル

アメリカ

16位

エクソンモービル

3,608億ドル

アメリカ

17位

P&G

3,450億ドル

アメリカ

18位

ウォルマート

3,333億ドル

アメリカ

19位

JPモルガン・チェース

3,307億ドル

アメリカ

20位

ロシュ

3,284億ドル

スイス

21位

ネスレ

3,221億ドル

スイス

22位

アリババ

3,168億ドル

中国

23位

イーライリリー

3,081億ドル

アメリカ

24位

マスターカード

3,069億ドル

アメリカ

25位

LVMH モエヘネシー・ルイヴィトン

3,065億ドル

フランス

26位

サムスン電子

2,978億ドル

韓国

27位

ファイザー

2,942億ドル

アメリカ

28位

シェブロン

2,845億ドル

アメリカ

29位

ホーム・デポ

2,819億ドル

アメリカ

30位

コカ・コーラ

2,727億ドル

アメリカ

 

足元ではインフレ抑制のために欧州で利上げが行われており、株価は下落しています。そのため、2022年1月時点ではトップだったアップルの時価総額はサウジアラビアのサウジアラムコに抜かされてしまいました。

 

それでも上位30位にはアメリカの企業が21社ランクインしており、強さを伺うことができます。特に強いのは、「GAFAM」と呼ばれるIT企業のGoogle、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoftの5社です。この5社は、近年のアメリカ株高をけん引してきました。また、電気自動車メーカー「テスラ」の時価総額上昇も著しいです。

 

なお、日本企業のトップであるトヨタ自動車の時価総額ランキングは、39位という結果でした。

 

続いて、平成元年(1989年)の世界時価総額ランキングを紹介します。

 

順位

企業名

時価総額(億ドル)

国名

1位

NTT

1,639億ドル

日本

2位

日本興業銀行

716億ドル

日本

3位

住友銀行

696億ドル

日本

4位

富士銀行

671億ドル

日本

5位

第一勧業銀行

661億ドル

日本

6位

IBM

647億ドル

アメリカ

7位

三菱銀行

592億ドル

日本

8位

エクソン

550億ドル

アメリカ

9位

東京電力

545億ドル

日本

10位

ロイヤル・ダッチ・シェル

544億ドル

イギリス

11位

トヨタ自動車

542億ドル

日本

12位

GE

494億ドル

アメリカ

13位

三和銀行

493億ドル

日本

14位

野村證券

444億ドル

日本

15位

新日本製鐵

415億ドル

日本

16位

AT&T

381億ドル

アメリカ

17位

日立製作所

358億ドル

日本

18位

松下電器

357億ドル

日本

19位

フィリップ・モリス

321億ドル

アメリカ

20位

東芝

309億ドル

日本

21位

関西電力

309億ドル

日本

22位

日本長期信用銀行

309億ドル

日本

23位

東海銀行

305億ドル

日本

24位

三井銀行

297億ドル

日本

25位

メルク

275億ドル

アメリカ

26位

日産自動車

270億ドル

日本

27位

三菱重工業

267億ドル

日本

28位

デュポン

261億ドル

アメリカ

29位

GM

253億ドル

アメリカ

30位

三菱信託銀行

247億ドル

日本

 

1989年はバブルの絶頂期です。現在の世界時価総額ランキングのトップ30位に日本企業はひとつもありませんが、約33年前はトップを独占していたことがわかります。

 

バブル崩壊後、日本株は大きく下落し、一度も日経平均高値を更新していません。一方、アメリカはリーマンショックなどの影響を受けながらも、NYダウやS&P500など高値を更新し続けてきました。

 

不景気により株価を上げられていないことや海外が株高になったことにより、相対的に日本経済が弱くなっているといえます。

4. 投資するなら時価総額が大きい会社が安心?

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

時価総額が大きい会社は、投資をするかの判断基準から考えると、安心感があります。

 

たとえば、時価総額が大きい会社が倒産するようなことがあれば経済界に及ぼす影響が大きいので、国や銀行が助ける可能性が高いです。そのため、投資した会社の株価が無価値になるようなことはほとんどないでしょう。

 

しかし、時価総額上位の会社は、すでに成長している会社と考えることもできます。今から10倍の規模になるようなことは少ないと考えてよいでしょう。

 

そのため、安心して投資をしたい場合は時価総額上位の会社のなかから選ぶのもいいかもしれませんが、今後時価総額が何倍にもなる可能性がある銘柄に投資したい場合は、成長の観点から有望な企業を探すことをおすすめします。

5. まとめ

バブル絶頂期には世界時価総額ランキングで上位を占めていた日本企業でしたが、現在は上位にほとんど入っていません。アメリカではIT企業の躍進により株高が進みましたが、日本は世界の株高についていけていない状況です。

 

時価総額が大きい企業に投資するのは安心ですが、大きな利益を得ることに期待しにくいともいえます。投資に何を期待するかによって指標の見方が変わるので、まずはご自身が求めるものを明確にしてください。