不動産投資には、銀行から借入をすることで自己資金の何倍もの投資が可能になり、安定した家賃収入が得られる可能性が高いというメリットがあります。ただし、空室リスク・家賃滞納リスク・金利変動リスク・流動性リスクなどのデメリットもあることを忘れてはいけません。不動産投資はいくらからできて、どのような人に向いているのかも併せて解説します。
不動産投資のメリット・リスクを解説…いくらから投資できるの? (※画像はイメージです/PIXTA)

さまざまな投資方法がありますが、不動産投資は安定的な家賃収入を得られる点が魅力です。しかし、銀行からお金を借りて不動産を購入するのに躊躇してしまう人もいるはずです。

 

この記事では、不動産投資の仕組み、メリットとリスク、いくらから始められてどのような人に向いているのかを説明します。不動産投資を検討する際の参考にしてください。

1. 不動産投資とは?
2. 不動産投資のメリット
2.1. 安定した収入が得られる
2.2. 生命保険の代わりになる
2.3. 相続税対策ができる
2.4. レバレッジ効果が高い
2.5. 私的年金になる
3. 不動産投資のリスク
3.1. 空室リスク
3.2. 家賃滞納リスク
3.3. 金利変動リスク
3.4. 流動性リスク
4. 不動産投資はいくらからできる?
5. 不動産投資に向いている人
6. まとめ

1. 不動産投資とは?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産投資は、銀行から融資を受けて不動産を購入し、その不動産を第三者へ貸し出して家賃収入を得る仕組みです。大きく分けて、「ワンルームマンション投資」と「マンション一棟投資」の2種類になります。

 

たとえば、3,000万円で購入したワンルームマンションを毎月10万円ずつ銀行へ返済するとしましょう。家賃を13万円にすれば、10万円の返済をまかない、余った3万円が収入になります。そしてローンが完済できたら、家賃収入は全額自分の収入になる仕組みです。

 

空室にならないような場所選びやメンテナンスは必要になりますが、株式投資のように毎日大きな値動きもないので、仕事に支障が出ることは少ないです。安定的な収入を得やすく、ミドルリスク・ミドルリターンの位置付けとなります。

 

また、安い不動産を購入して価値が上がったときに売却して売却益を得る方法もあります。

 

最近では、マンション価格が高騰しています。株式会社不動産経済研究所の調査によると、2021年度の首都圏のマンション価格は6,360万円で2015年度の5,617万円と比べると700万円以上値上がりしており、不動産の需要が高まっています。売却する際の資産価値も考慮して、投資物件を選ぶのがおすすめです。

2. 不動産投資のメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
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ここでは、不動産投資のメリットについて紹介します。

 

2.1. 安定した収入が得られる

不動産投資では、購入した不動産を貸すことで家賃収入を得ます。一般的に、一度入居すると数年間は住み続けますし、家賃の金額が途中で変わることもないので、安定的な収入を得ることが可能です。人気エリアの利便性が高い好物件を選ぶと、空室になるリスクを減らすことができるでしょう。

 

2.2. 生命保険の代わりになる

銀行から融資を受けて不動産を購入する際には、「団体信用生命保険」という保険に加入を求められることがほとんどです。団体信用保険に加入していると、債務者が死亡したりガンなどの病気になったりした場合に借金が全額清算され、返済の義務がなくなります。不動産は家族が引き継ぐことができ、家賃収入も入り続けるので、生命保険の代わりになるのがメリットです。

 

2.3. 相続税対策ができる

不動産投資を行うことにより、相続税対策もできます。相続税を計算する際に、現預金より不動産のほうが評価は低くなるので、相続税を抑えられるからです。

 

2.4. レバレッジ効果が高い

基本的に株式投資などは自己資金の範囲内で行いますが、不動産投資に関しては銀行からの融資を受けて投資ができるのが特徴です。たとえば、自己資金が500万円で運用する場合は500万円に対しての利益になりますが、銀行から借入を行い4,000万円の物件を購入できれば4,000万円に対する利益を得られます。

 

具体的には、500万円を年利3%で運用すると利益は15万円ですが、4,000万円を年利3%で運用すると120万円の利益になるのです。これを「レバレッジ効果」といいます。

 

FXや株の信用取引でもレバレッジをかけられますが、値動きが大きくリスクも高いです。一方、不動産投資は安定的な家賃収入があれば返済の見通しが立ちやすいですし、不動産の価値が高ければ売却もしやすくリスクを抑えることができます。

 

このように、レバレッジ効果が高い割には安定した運用をできるのが不動産投資の魅力です。

 

2.5. 私的年金になる

老後も家賃収入があれば、公的年金にプラスして収入を得ることができます。日本は少子高齢化の影響により、年金受給年齢が上がっていますし、今後受給金額が下がる恐れもあります。そのため、空室リスクが少なく、安定的に家賃収入を得られる不動産を保有できると、老後の安心材料になるでしょう。

3. 不動産投資のリスク

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産投資にはリスクもあります。どんなリスクがあるかについて、見ていきましょう。

 

3.1. 空室リスク

空室が発生すると、その期間家賃収入を得られなくなってしまいます。空室が発生しないためには好立地で利便性が高い不動産を選び、古くなってもきちんとメンテナンスを行う必要があります。

 

3.2. 家賃滞納リスク

家賃を滞納されることにより、自分で銀行への返済金額を負担しなければならない可能性も出てきます。また、借りている人が何らかの事情で自己破産をすれば、回収ができなくなってしまうリスクもあります。そのため、借りる人の審査もきちんと行う必要があります。

 

3.3. 金利変動リスク

日本は低金利かつ金利がほとんど動かないので、住宅ローンを借りるときは変動金利を選ぶ人が多いです。しかし、これからずっと現在の金利水準を維持できるとは限りません。

 

実際、欧州ではインフレ抑制のために金利を上げる政策をしています。金利が上がれば、銀行に返済する金額が変わり資金計画が崩れてしまう可能性もあるでしょう。金利変動リスクも考慮して、不動産投資の計画を立てる必要があります。

 

3.4. 流動性リスク

不動産は売却しようとしてもすぐに手放すことが難しいです。何らかの事情ですぐに現金が必要になったとき、現金化するまでには数ヵ月かかるでしょう。一方、株式投資などは現金化しやすいので、流動性の低さは不動産投資のデメリットです。

4. 不動産投資はいくらからできる?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産投資をするためには、頭金をたくさん用意する必要があるといったイメージを抱く人も多いかもしれませしか

 

しかし最近は、フルローンで投資できるケースも増えています。とはいえ、諸経費の支払いが発生するので、100万円程度あれば不動産投資を始められると考えてよいでしょう。

5. 不動産投資に向いている人

(※画像はイメージです/PIXTA)
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そもそも、安定した職業の人でないと銀行からの借入ができません。そのため、正社員の会社員や公務員である人が審査に通りやすく、不動産投資に向いているといえます。

 

年齢としては、早く始めたほうがメリットはあるので、20代・30代から始めるのがおすすめです。

6. まとめ

不動産投資は、安定的な収入を得られる可能性があることがメリットです。銀行からの借入をすることで、自己資金の何倍もの投資を可能にし、レバレッジ効果の恩恵を受けることができます。その他にも、生命保険の代わりになったり、私的年金になったりとメリットが多いです。

 

ただし、空室リスク・金利変動リスク・流動性リスクなどもあるので、メリットとデメリットをよく比べる必要があります。特に、空室の期間ができればその期間収入がなくなり、銀行への返済を自己資金でまかなう必要があるので注意しましょう。

 

不動産投資は、安定した収入がないと銀行からの借入ができないので、会社員や公務員の人に向いています。頭金を入れる必要がなく、フルローンで購入できるケースもあるので、自己資金が少なくても始めることができます。

 

不動産投資に興味がある方は「ワンルームマンション投資」から始めて、ステップアップしていきましょう。