実践すれば勝てる?FX初心者が軽視する「メンタル管理」の重要性
「大きく負けたから次はかならず勝つ」と心に決めて取引ロットを急に上げた経験はありませんか? 基本的にこのような考えを持ったときのトレードは負けて終わります。
FXは感情的になると資金がいくらあっても足りません。FXを生業としているプロはメンタル管理を必ずしています。しかし、FX初心者は目先の利益を追求するばかりにメンタル管理を軽視する傾向があります。
今回はFX初心者のメンタル管理における失敗を実例と共に紹介し、どのようにすればFXのプロと同等なメンタル管理力を手に入れられるのか解説します。ポイントは「待つこと」「感情的にならないこと」「一貫性があること」です。
実例1. やたらとポジションを持ちたがる初心者
チャートを見ている時間はどこかでポジションを持たなければいけないと思っている限りFX初心者を卒業することはできません。機会損失を恐れて、常にポジションを持っていなければ落ち着かない人は要注意です。いわゆる「ポジポジ病」を患っています。
「ポジポジ病」とは実際の病気ではなく、FX初心者が機会損失を恐れて無駄なトレードをたくさん行ってしまう現象のことです。無駄なトレードが続く限り毎月安定したプラス収支を出すことは難しいでしょう。
この精神状態を脱するためには機会損失を受け入れてチャンスを素直に待つことが大切です。FXのプロは為替チャートにおいてすべてのチャンスを自分の利益に繋げることはできないと知っています。この心の余裕が安定した利益に繋がります。
プロのトレーダーは1日中チャートを見ているのにも関わらず1回も取引しないことがあります。一見、時間を無駄にしているように思えますが、精神的に成熟したプロは自分の決めた高確率で勝てる条件下でしか取引しないので結果的に合理的な判断になるのです。
このように機会損失をすることへの罪悪感を払拭することがFX初心者を卒業するための第一歩となります。
実例2. リベンジトレードに走ってしまう初心者
損切りをしたあとに大きくロットを張って負けた分を取り返そうとするトレードをした経験はありませんか? 経験がある人はわかると思いますが、基本的にこのような負けを取り返そうとするトレードは失敗します。
前回の負けを取り返すための取引を「リベンジトレード」と呼びます。このリベンジトレードもメンタル管理を十分に学んでいない初心者が陥りやすい現象です。 リベンジトレードの怖いポイントは「大きく資産を減らす可能性が高い」ことです。
多くの初心者トレーダーは負けた額を取り戻すために、前回取引したロット以上の新規建玉を張ります。つまりリベンジトレードは前回以上の損失を招く可能性が高くなります。
さらにこれ以上負けられないという心理状態に陥るため、損切りがなかなかできず含み損を膨らませる事態を招きかねません。FXの世界から退場した多くの初心者はリベンジトレードが原因でしょう。
この精神状態を脱するためには損切りに関するルールを作ることが大切です。徹底した自己管理ができるようなトレードルールを持っていないプロトレーダーは存在しません。まずは如何なる場合でも感情的なトレードをしないためのルールを作りましょう。
「証拠金維持率は常に◯◯%以上にする」や「◯◯回連続で損切りしたらその日はトレードしない」など具体的な数字を用いることが重要です。このようなマイルールを作り、規律に基づいたトレードをすることがFX初心者を卒業するための第一歩になります。
実例3. トレードに一貫性のない初心者
多くの初心者トレーダーは具体的なエントリールールを持っていません。しかしプロのトレーダーは自らを律するルールを必ず持っています。その結果、どんなに含み損が大きく膨らんでも、安定したメンタルを保つことができます。いかなる場合でも合理的な選択ができるかどうかがプロと初心者の決定的な違いです。
この違いの根本にあるのが「トレードにおける一貫性」です。 トレードに一貫性を持たせるためには、自分のトレードにルールを決めて必ず守ることです。初めは「逆張りはしない」など簡単なルールで構いません。
ルールに基づいたトレードに慣れてきたら、ルールをより具体的にしていきましょう。「〇〇のサインが出たときにしかトレードしない。損切りは必ず△%以内にする」といったようにプロに近づくほど行動に具体性が出てきます。他人の情報に左右されず、自分のルールに基づく取引を目指すことがFX初心者を卒業するための第一歩になります。