「デジタルのことはよくわからない。自社のHP作成はプロへ一任したい」…そのように考える経営者は数多くいます。しかし、大切なHP制作を人任せにしては、せっかくの経営改善のチャンスは掴めません。デジタルに苦手意識があっても大丈夫です。自社HP上の顧客の流れを自分の目でとらえた経営者は、きっと深い感動を覚えることでしょう。株式会社コウズ代表取締役の浜野耕一氏が解説します。

デジタルが苦手な経営者に伝えたい、HP運営のメリット

私は建築士の仕事をしていましたが、顧客からホームページのデザインを頼まれたことをきっかけにホームページの大きな可能性を感じ、制作会社を設立しました。今でこそAIを組み込んだツールを開発していますが、当時の私はデジタル知識のないデジタル音痴でした。しかし明確な戦略を持っていれば、デジタル音痴でもIT事業を展開し、成果を出すことができると身を持って証明してきました。

 

異業種からIT業界に参入した私を見てもわかるようにデジタル音痴は必ず克服できます。特別な勉強も必要ありません。専門用語も自分が普段使っている言葉に置き換えれば、すぐに理解できます。

 

今回は連載の最終回なので、デジタル音痴の経営者の方に伝えたいことを総括したいと思います。

 

◆ホームページは「経営課題を解決する基盤」である

かつてホームページは単なるPRツールと考えられてきました。インターネットが生活やビジネスに浸透している現在では、ホームページは生産性向上、人手不足、営業力強化といったあらゆる経営課題を解決できる基盤になりつつあります。ホームページは単なるPRツールという固定概念を捨てて、経営課題をホームページで解決できる方法がないか考えてみてください。

 

◆ホームページはリニューアルより「改善」が肝心

多くの企業の問題は、ホームページを作っただけで放置しています。そして「ホームページを作ったのに効果がない」という不満を持っています。成果の確度を高めるには、来てほしい訪問者に対して、適切なアプローチをする必要がありますが、どうすれば効果が出るのか、試行錯誤する以外にありません。

 

「ITには素人なのでどうやって改善すればよいのかわからない」という人は、まず既存のホームページに毎日何人の人が訪れているのかを調べてみてください。ホームページを見に来てくれた多くの人を放置していたことがわかるでしょう。訪問者を成約につなげるにはどうすればよいか、しっかりと向き合えば施策はおのずと浮かびます。

 

◆ホームページの自社運営を目指そう

最初は制作のプロの力を借りる必要がありますが、改善のサイクルを高速にまわしていくには、自社運営が求められます。制作会社と改善に取り組みながら、社内の人材を育て、体制を整備していくことを視野に入れてください。

 

デジタル技術で事業を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代ですから、いかなる業種でも経営者がITと無縁ではいられません。何より経営者の戦略がなければITを活用しても効果がありません。思い切ってITの領域に足を踏み込んでください。そこから業績の上がるすごいホームページの運営が始まります。

 

次ページHP運営を変えれば、業績も「明らかに変わる」

※令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成