理想は「制作会社に頼らず、自社で運営する」スタイル
ホームページを経営基盤と考えるならば、運営を制作会社に丸投げするわけにはいきません。最近ではDXという言葉がよく聞かれる通り、企業がデジタル技術を活用して競争力のある事業を育てようとしています。そのためIT企業でなくてもシステム開発を内製化する企業が増えてきました。ホームページも自社の競争力の源泉となるものなので、最終的には制作会社に頼らず、自社で運営していくのが理想です。
そのためにまずは社内の体制を作ることから始めます。ホームページの担当者、営業マネージャー、経営者で構成されているのが理想です。
重要な役割を持つのが、ホームページの担当者です。できれば専任が望ましいのですが、最初は兼任でもよいと思います。必ず担当者を置いて、制作会社との窓口となりメンバーの意見のとりまとめを行う必要があります。そして将来自社運営に移行する際のコアメンバーとして担当者を育成していきます。とはいえ担当者に特別なスキルは必要ありません。また特別な教育も必要ありません。制作会社と一緒に改善策の立案、ホームページの改善、効果検証のサイクルを繰り返し実施していくと、自然に必要な知識が身に付き、具体的な改善策を立案できるようになります。
また私の経験上、営業マネージャーに参加してもらうと大きな効果があることがわかっています。商談で見込み客と直接接しているので、ホームページの利用者の感情や思考を一番理解しています。そのためリニューアルや改善の際に営業マネージャーに意見をもらうとより成果が出る改善を行えます。
そして経営者です。ホームページにどのような課題があるのか、どの程度成果が上がっているのかを把握し、戦略を決めていくには経営者の意思決定が必要です。
この体制で制作会社と一緒に改善のサイクルを回していきます。その間に自社にノウハウを蓄積し、担当者の育成や体制の整備を行うことで、徐々に自走運営に切り替えていきます。
とはいえ人的リソースが不足している中小企業にとって、ホームページの改善サイクルを回していくのは重い負担となります。そこでできる限り改善作業を自動化して自社運営をサポートできないかと考え、AIを組み込んだツールを開発しました。
このツールでは「改善策の立案」「ホームページの改善」「効果検証」という改善プロセスの自動化をします。例えば、「問い合わせフォームのボタンの位置を変更すればクリック率が高まる」という予測をAIで行い、ボタンの位置を自動で変更し、効果検証も自動で判断し結果を学習します。このような小さな改善をAIに任せることで、作業負担やコストを大幅に削減できます。
このサービスはリリース前ですが、すでに自治体や民間企業が運用を開始しています。AIツールによって、多くの企業が自社運営できることを期待しています。
浜野 耕一
株式会社コウズ
代表取締役