多くの中小企業がホームページを開設しているものの、経営者がしっかりと運営に関わっているという企業はごくわずかです。インターネットが日常生活に浸透している現代において、ホームページを活用することは企業の経営に大きな影響を及ぼします。本記事では中小企業におけるホームページの資産的価値や経営者が自社のホームページ運営に積極的に関わるべき理由を、株式会社コウズ代表取締役の浜野耕一氏が解説します。

デジタルに苦手意識をもつ経営者たち

私はホームページ制作の商談で、多くの経営者の方とお話をする機会があります。お話しする中で「ホームページは単なるPRや集客のツールではなく、これからの企業経営に欠かせない基盤となるものだ」と経営者に伝えてきました。

 

私の考えに共感してくれる経営者は増えてはいるものの、残念ながら大半の経営者はホームページに無関心です。

 

ホームページがどんな状態にあるのかを聞いても「制作会社にまかせてあるのでわかりません」という答えしか返ってこないこともあります。中には自社のホームページを一度も見たこともない経営者もいるのですから驚きです。

 

なぜこのようなことが起きるのかというと、経営者がデジタルにアレルギーを持っているからだと私は考えています。このアレルギーを私は「デジタル音痴」と呼んでいます。

 

デジタル音痴であるがゆえに、企業の成長力を左右するホームページの運営をITにちょっと詳しい担当者や制作会社に丸投げしてしまうという現象が起きます。経営者がデジタルを理解していないというよりは、よくわからないことを敬遠する姿勢が変革を阻んでいます。

 

経営者のデジタル音痴は簡単に克服できます。経営者はホームページを運営するためにプログラミングをしたりデザインをしたりする必要はありません。ホームページの現状を把握して戦略を立てればよいのです。

 

普段から経営者は経営状況を常にチェックして戦略を立てています。それと同じことをホームページで実施すればよいだけです。ホームページの運営を担当者に任せても、経営課題の解決までは行きつきません。

 

ホームページに無関心だった経営者に「月に4000人が御社のホームページを見ています」と伝えるだけで、目の色が変わります。ホームページで成果を出すためには、どんな体制でどれだけ投資すればよいか真剣に考えるようになります。戦略的思考を磨き上げてきた経営者が関わってこそ、業績の上がるホームページに育てることができるのです。

 

経営者のデジタル音痴を克服すれば、ホームページを活用できる領域は大きく広がります。今こそ戦略的な視点を持ってホームページの運営に関わるべきです。

 

ITを敬遠せずに担当者や制作会社と協力してホームページの現状を把握し、経営課題を解決できないか考えてみてください。経営者しかホームページ運営を牽引できる人はいません。少しだけ勇気を出してITの領域に踏み込んでみてください。

 

経営者にホームページの活用例を紹介すると、「そんなことにまで活用できるのですか」と驚かれます。もはやホームページはツールではありません。企業の経営課題を解決できる資産であり基盤なのです。

 

 

浜野 耕一

株式会社コウズ

代表取締役

 

※令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成