1,000世帯が暮らす住居棟と商業施設の一体型施設
レーサムの不動産小口化商品第2弾を構成する『桜ノ宮ONE』は、約30年前に竣工した桜宮リバーシティの商業棟。桜宮リバーシティは商業施設と住居棟9棟(約1,000世帯)が混在する大型不動産で、敷地内にはスーパーマーケットやスポーツジム、学習塾、そして診療所など、生活に必要なテナントも数多く入居しています。
同物件は大阪市北東部の都島区中野町に位置し、周辺には川沿いに緑地が整備された美しい街並みが広がります。春には約4,800本の桜が一斉に開花。またJR大阪環状線「大阪」駅より2駅の「桜ノ宮」駅と、大阪都心から非常に近い住宅エリアとなっています。
今回は『桜ノ宮ONE』の商品化に携わった、株式会社レーサム プロパティエンジニアリング部(工事管理)の梅田友之氏と、同社プロパティマネジメント部(テナント・オーナー管理)の北島健太郎氏にお話を伺っていきます。
北島「『桜ノ宮ONE』は大阪市の都心エリアまで散歩がてら徒歩移動も可能という、絶好のロケーションが魅力の不動産です。今回、弊社が取得したのはテナントが入居する商業棟。周辺にはタワーマンションが林立し、約1,000世帯が生活を営む環境ですので、常に安定した運営が実現可能な物件として、投資家の皆様にも自信をもってお薦めできると考えております」
前管理会社のずさんな対応を刷新
今回の商品化にあたり進められたリニューアルについては、プロパティエンジニアリング部の梅田氏を先頭に、作業が進められました。
梅田「『桜ノ宮ONE』は竣工から30年の時を経ている物件でしたが、何か問題が生じたら修繕を行うという程度だったようです。リニューアル当時もテナント様の営業が続いているわけですから、今後もより良い運営ができるよう、サポートしていく改修になることを第一に考えました。実際に現場へ足を踏み入れると『ここも直すべきだな』というポイントが、見えてきます。予算を鑑みつつ計画を立案していくのは大変でしたが、担当者としての腕の見せ所でもありますので、やり甲斐がありましたね」
北島「弊社が取得した商業棟と住居棟を結ぶアプローチはアーケード付きだったのですが、大屋根本体がだいぶ傷んでおり、周囲の照明器具にも錆びなどが目立ちました。もし落下して人に当たったりしたら、大事故となってしまいます。
今後は弊社の管理物件となるわけですから、安心安全が第一です。取得にあたり、今後20年に渡る全体の修繕計画を立案したのですが、なんとか過去の積立金内で収める見通しが立ちました。追加徴収が発生しなかったことで、関係者の方々との間にも信頼関係が生まれたのではないかと思います」
レーサム主導の修繕計画から生まれた信頼関係
レーサムが今回取得した「桜宮リバーシティ」の商業棟は、テナントの入居する物件ですが「住居棟と敷地を共有している」という複雑な事情がありました。このため、共用部分に関する取り決めの調整が必要だったのです。北島氏は現地へ何度も足を運び、粘り強く交渉に臨みました。
北島「住民など、不動産と直接的な関りのある方々で構成された『敷地管理協議会』に参加させていただき、話し合いを重ねました。商業棟と住居棟の間で、共用部の資産管理区分が細かく決められていない状態だったので、難航することもありましたね。エリア内の設備に劣化が生じても、どちらが費用を出すべきなのかが決まらず、維持メンテナンスが後手に回っている状態だったのです。特に住居棟の方々は不動産業界に精通しているわけではありませんので、拒否反応が強く、当初は会話もままならないような状態でした」
しかしレーサムの示す誠実な対応は、徐々に協議会参加者からの支持を勝ち得るようになりました。さまざまな変化に対し反対意見を持つ人たちの態度も軟化し、コミュニケーションが深まっていったようです。
梅田「今後、管理が弊社に変わるという事実が周知され、テナント様からも修繕希望の声が挙がるようになりました。以前の管理会社の対応が不十分だったので、不満が溜まっていたのではないかと思います。すべてに対応するのは大変ですが、一つひとつの声に耳を傾け、期待に応えていきたいですね」
またレーサムはリーシング手腕も充分に発揮し、取得時点での空室へテナントを誘致。満室状態で『桜ノ宮ONE』を商品化しています。修繕を含む改修や、複雑な権利関係の取りまとめといった難題をクリア済みなので、今後、安定的な高利回り物件として機能するのは間違いないでしょう。
十分な不動産価値と万全の管理体制を整えたうえでリリースされた、レーサムの第2弾不動産小口化商品。次回は福岡空港から約15分以内の立地が魅力の『博多ONE』について、お話を伺っていくことにします。