不動産の再生を通し、富裕層向けに資産運用サービスを提供する、不動産価値創造企業・株式会社レーサム。2022年1月には、その知見を活かした不動産小口化商品の第1弾をリリースし、この春、第2弾商品の販売を始めます。同社法務ストラクチャリング室、金澤彬氏に商品の概要を伺うと、既存の不動産小口化商品とはまったく違うものであることがわかりました。連載第2回目では、さらに深化した第2弾商品ついてみていきます。

西日本3大都市の物件を組み入れた第2弾商品

 

1992年の創業から30年、一貫して富裕層向けの不動産活用・資産運用サービスを提供してきた株式会社レーサム。未来を見据えながら不動産の資産価値を創造し、向上させ続けてきた実績を持つ企業です。そんな同社が2022年の幕開けと同時に、不動産小口化商品第1弾の運用をスタート。「複数の投資家が、証券化適格の大口不動産を所有する」というヴィジョンを、独自スキームで見事に実現してみせました。

 

金澤「弊社の不動産小口化商品は、『受益者等課税信託』のスキームを採用し、信託内借入による高いレバレッジ効果を得られます。また金融機関と信託会社との間に『ノンリコースローン』が採用されていますので、万が一運用に破綻が生じたとしても、投資家固有の財産に金融機関が遡及する心配はありません。さらに不動産信託受益権をさらに信託受益権化するといった「二段階信託スキーム」により、物件売却時における売却先が増え、売却時のコスト(流通税)も削減できるのです」

 

――不動産を、「より不動産に近い形」で、身近に「より良い形」でご提案いたします。

 

コンセプト通り、不動産をより身近に感じられる同社の商品は、従来の不動産小口化商品がもつ「資産の形成・継承に活用できる」というメリットに加え、「レバレッジ効果が期待できる」など不動産投資のメリットも提供しています。さらに「投資家保護」「出口戦略の最適化」という利点も加わり、第1弾商品は富裕層から大きな支持を集めました(関連記事:『レーサムの「不動動産小口化商品」第1弾はなぜ画期的だったのか 』)。

 

その余韻も冷めやらぬうちに、早くも第2弾商品のリリースが決定しました。

 

金澤「第2弾商品は、スキームは第1弾と同様(図表)、物件は京都、大阪、福岡の3つの都市に立地するもので構成しています。京都は老舗オフィスビルの『烏丸ONE』。大阪は約1,000世帯の大規模レジデンスの生活を支える商業施設『桜ノ宮ONE』。福岡は2021年8月に竣工した最新のオフィスビル『博多ONE』。立地、さらには形態の異なる物件に分散投資できる商品です。弊社がテナント誘致や賃料適正化、そして物件メンテナンスへ取り組むことで物件の魅力を引き上げ、成長性のある利回り商品へと仕上げていく予定です」

 

写真右上より時計回り、「京都ONE」「博多ONE」「桜ノ宮ONE」
写真右上より時計回り、「京都ONE」「博多ONE」「桜ノ宮ONE」

 

【図表】第2弾商品スキーム図

不動産小口化商品では異例…年々想定配当利回りが上昇

 

では今回の第2弾商品は、第1弾と比較してどのような違いがあるのでしょうか。大いに気になるその特徴について、金澤氏にお話しいただきました。

 

株式会社レーサム 法務部 金澤彬氏
株式会社レーサム 法務ストラクチャリング室 金澤彬氏

金澤「まずは価格帯が異なります。第1弾はひと口約5,000万円で、ふた口以上からのお申し込みを承っていましたが、第2弾はひと口約5,000万円からお申込いただけます。販売数が増えたことで、より多くの富裕層の方々に、不動産小口化商品を通して、不動産投資の醍醐味を体感いただけると考えています。

 

また第1弾商品同様、投資家の皆様に不動産を身近に感じていただきながら、運用していきたいと考えているので、月次レポートにおいても配当のお話だけでなく、物件の現況について細かくお知らせいたします」

 

不動産投資の運用において何より気になるのは利回りです。第1弾商品には5.6%の配当想定利回りが提示されていましたが、この数字は一般的な不動産小口化商品の平均値、2~3%程度を大きく上回っています。第2弾商品はどうなのでしょうか?

 

金澤「想定配当利回りは、運用期間中の平均利回り56%台を目指しています。第2弾商品の特長としては、運用期間中に利回りが向上していくという道筋を描いていること。当初は34%を予定していますが、賃料の適正化や収益性の向上などの取り組みにより、最終的には6%前後まで高めていこうとしています。

 

第1弾商品には、首都圏の物件が含まれるという意味で、安定感がありました。第2弾商品は、不動産価値創造企業である弊社がチャレンジ精神を大いに発揮していくことで、オーナーの皆様に充分な投資価値を実感いただく商品になると自信を持っています」

 

不動産小口化商品の運用期間中に、分配金利回りの向上を狙う……前代未聞の挑戦に思われるかもしれませんが、それが絵空事ではないことは、同社が創業からの30年間、不動産再生で実績を残し、業界からも高い評価を得ていることが証明しています。

 

運用によって利回りが変わるのが不動産投資。そんな醍醐味までも体感できるのが、第2弾商品、最大の特長だといっていいでしょう。

不動産投資のリスクとどう向き合うか

 

レーサムはこれまで、不動産の買い取り、用途変更や大規模改修からコミュニティホステル、超高齢化社会に必須の高度医療専門施設などの将来の社会課題に対応した事業など、これまで「不動産の在り方」を模索し、真摯に取り組んできた実績のある会社です。そのコストバランスに優れた不動産再生には定評がありますが、より不動産投資の醍醐味を体感できる商品ということで、リスクを感じる人もいるかもしれません。

 

金澤「京都はビジネスエリアに位置する老舗オフィスビル、大阪は住宅を含む41階建てタワマン型複合施設、そして博多は駅前のオフィスビルとなっています。いずれも地域に根差し、築年数に応じたストーリー、価値を見出すことができます。

 

弊社はすでに大幅なリノベーションを施し、物件管理を行ってきました。今後もさらなる物件価値上昇に向けた試みを続けて参りますので、投資家の皆様には、弊社のプロパティマネジメントを通じたお付き合いの中で内容をご確認いただきたい。そして『運用中の配当金上昇』といううれしいボーナスを、期待していただきたいと思います」

 

本商品において、最終的なトータル利回りは、運用開始後7年~10年目に物件を売却をした時点で決まります。本稿内では詳しくいえませんが、秘密裏でそのシミュレーションを伺うと、運用スタートから運用終了に至る生涯収支のシミュレーションはかなり底堅い水準でした。それだけ同社は第2弾商品のリスク低減にも、他にはない高い利回りについても、絶対的な自信をもっているのでしょう。

 

「資産の形成・継承に活用」という従来のメリットはもちろん、不動産投資の面白さ、楽しさを再確認させてくれるレーサムの不動産小口化商品。連載3回目以降は、第2弾商品を構成する不動産、それぞれにクローズアップしていきます。