不動産投資に挑戦しようとしても、資金面に不安がある方は多くいるはずです。しかし、「不動産小口化商品」なら100万円から不動産投資を始められます。本記事では、数ある不動産投資のなかから、100万円から始められる不動産小口化商品にスポットを当てて紹介。種類をはじめ、メリット・デメリットなどを解説します。
100万円からでも挑戦可能な不動産投資とは?不動産小口化商品について解説 (※画像はイメージです/PIXTA)
1. 100万円からでも不動産投資は可能
2. 不動産投資のメリット
3. 少額不動産投資の種類
3.1. 不動産投資ローンを利用した区分マンション購入
3.2. 不動産投資信託(REIT)を利用する
3.3. 不動産小口化商品を利用する
4. 不動産小口化商品の種類
4.1. 匿名組合型
4.2. 任意組合型
4.3. 賃貸型
5. 不動産小口化商品のメリット
6. 不動産小口化商品のデメリット
7. 不動産小口化商品の利回り(利益)
8. 不動産投資をする際に気を付ける点
8.1. 資金面の確認
8.2. 物件の確認
8.3. 事業者の確認
9. 相続税対策として不動産小口化商品は有効?
10. 現物出資型と金銭出資型の違い
10.1. 現物出資型
10.2. 金銭出資
11. 不動産小口化商品購入時の各種費用
11.1. 購入時にかかる費用
11.2. 運用期間中にかかる費用
12. 運用期間について
13. 分配金の回数と税区分
13.1. 分配金の回数
13.2. 分配金の税区分
14. 100万円からでも不動産小口化商品の投資は可能

1. 100万円からでも不動産投資は可能

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産投資には多額の資金が必要だと考えている人は多いはずです。しかし、100万円からでも不動産投資が可能な商品もあります。不動産投資には、希望の予算に合わせた物件や商品が存在するのです。

 

そのため、元手が100万円であっても、物件の内容や購入方法、商品によっては高額な資産価値を有する不動産物件を購入できます。資産価値の高い不動産物件を100万円程度で購入する方法のひとつとして、「不動産小口化商品」が挙げられます。

2. 不動産投資のメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産投資は預金よりも高い利率が魅力です。また、株式やFXなどと比較すると、価格変動が緩やかで、リスクとリターンの振り幅が大きすぎないことが特徴として挙げられます。そのため、不動産投資は、資産運用として常に高い人気があります。

 

また、将来性のある不動産物件への投資や安定性を見込める物件の運用を始めることにより、初期投資額よりも多くの利益を得られることが期待できます。

 

初期投資額を多く投じることができない方であっても、100万円から始められる方法があります。

3. 少額不動産投資の種類

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

少額で始められる不動産投資の種類は、大きく分けて3種類あります。

 

  1. 不動産投資ローンを利用した区分マンション購入
  2. 不動産投資信託(REIT)の利用
  3. 不動産小口化商品を購入

 

3.1. 不動産投資ローンを利用した区分マンション購入

銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けて、運用する区分マンションを購入する方法です。自己資金が不足していても、不動産投資ローンの審査に通れば、物件を入手できます。

 

また、頭金がまったく用意できなくても、物件購入できるフルローンも存在します。

 

ただし、不動産投資のローン審査は厳しく、審査に通過するためには収入や職種などに安定性が必要です。

 

3.1.1. 不動産投資ローンが向いている人

不動産投資ローンを利用することで、実際に物件を保有できます。ローンの返済期間があるため、長期的に保有して家賃収入を得たい方に向いています。

 

また、区分マンションであれば、不動産管理を委託できるため、副業として不動産投資を目指す方にもおすすめです。

 

3.2. 不動産投資信託(REIT)を利用する

次に紹介するのが、不動産投資信託(REIT)です。

 

不動産投資信託は、複数の投資家から住居・商業施設・宿泊施設などの不動産購入費用を集め、運用から出た利益を分配する投資方法です。

 

運用は不動産投資の専門家に委託でき、投資家が運用に関わることはありません。また、物件の所有権を有することもできません。価格変動や元本割れのリスクがあるため、株式投資に類似した投資方法だといえます。

 

3.2.1. 不動産投資信託(REIT)が向いている人

不動産投資の専門家に任せ、運用への手間を減らして利益だけを得たい人が向いている不動産投資方法です。

 

また、数万円から数十万円の少額で不動産投資を始められるため、気軽に不動産投資を始めたい方にも向いています。ただし、価格変動の影響や元本割れのリスクは高いので、注意しましょう。

 

3.3. 不動産小口化商品を利用する

最後に紹介するのが、不動産小口化商品です。

 

不動産小口化商品は、不動産の所有権を複数の投資家に分けて購入する投資方法です。マンション1棟物件などの購入費を複数で分けるため、1口当たりの投資額が安価に抑えられます。

 

また、不動産小口化商品は不動産特定共同事業法に基づいて運用されています。法整備が行き届いており、リスクを負いにくい傾向があります。さらに、物件の所有権が小口化されるため、相続税対策にもなります。

 

3.3.1. 不動産小口化商品が向いている人

不動産小口化商品は、不動産物件の選択から管理、運用までを専門家に委託したい人に向いています。

 

また、不動産小口化商品はすべて不動産運用の専門家によって選定します。そのため、損益を生むリスクを軽減することができます。

4. 不動産小口化商品の種類

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産小口化商品の主な種類は、以下の3つです。

 

  1. 匿名組合型
  2. 任意組合型
  3. 賃貸型

 

それぞれ解説します。

 

4.1. 匿名組合型

匿名組合型は、複数の投資家が事業者と匿名で契約し、出資を行う投資方法です。事業者は集めた投資額を不動産の運営に活用し、利益を投資家に還元します。

 

匿名で行うので不動産登記に携わることなく、また、他の投資家とのやり取りもないため、匿名性が高い投資方法です。投資家は出資金の範囲での有限責任を負うため、出資金額を超過する損失はほぼ負いません。

 

また、投資金額は1口数万円からと安価であり、期間は数ヵ月から10年までと短期間であるため、初めて不動産投資をする方に向いています。

 

4.2. 任意組合型

任意組合型とは、複数の投資家と事業者が契約を結び、組合を発足する投資方法です。

 

発足された組合で物件を取得し、賃貸や売却などの不動産取引で得た利益を組合員に分配します。任意組合型は不動産を所有する扱いになるため、登記手続きと不動産取得税が必要です。

 

一般的な任意組合型商品の購入費用は、1口100万円からです。また、期間は10年以上の長期運用が設定されているものが多いです。匿名組合型とは異なり、登記簿に名前が載るため、匿名性はありません。

 

4.3. 賃貸型

賃貸型は任意組合型と同じく、複数の出資者が合同で物件を購入します。購入した物件は特定不動産事業者に運営を委託し、運営費を引いた賃貸収入が分配される仕組みです。また、不動産の売却時には売却による利益が発生します。賃貸型も任意組合型と同じく、登記簿に名前が掲載されます。

 

リスクとして、事業者の経営が破綻した場合は運営者が不在になるため、そのあとの不動産運用に関する意思決定が困難になることが挙げられます。また、匿名組合型や任意組合型と比較して、賃貸型の不動産小口化商品は取り扱いが少ないです。

 

ちなみに、費用と運用期間は任意組合型とほぼ変わりません。

5. 不動産小口化商品のメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産小口化商品の主なメリットについて紹介します。

 

匿名組合型であれば、1口数万円からの少ない資金で始められます。このことから、投資初心者の方にも始めやすい商品となっています。

 

また、株式・投資信託に比べて運用期間中の値動きがほぼないため、損失が出にくいのも特徴です。複数の物件に投資先を分散しておくことで、リスク分散が可能です。

6. 不動産小口化商品のデメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産小口化商品は市場で売られている数がまだまだ少ないため、倍率が高くなる傾向にあります。先着順で物件を売る事業者も多く、購入できないと投資が始められないことはデメリットです。

 

また、匿名組合型は運用期間中の解約がほぼ不可能である点もデメリットになります。ただし、任意組合型と賃貸型は途中解約できることもあります。一方で、市場規模が小さいため、買い手がつかずに売却が困難な場合も大いにあります。

 

不動産小口化商品は融資可能な銀行がないため、費用はすべて自己負担する必要があります。そして、元本と賃料の保証がないため、元本割れするリスクがあります。

7. 不動産小口化商品の利回り(利益)

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産小口化商品を取り扱う事業者の多くは、利回り(利益)を明記しています。

 

記載されている利回りが、「実質利回り」なのか「表面利回り」なのかをしっかり確認しましょう。

 

実質利回りは、運営費を引いたあとで出資者に支払われるパーセンテージです。一方、表面手回りは運営費込みでの利回りで、表面上の利回りから運営費を引きます。

 

匿名組合型は、実質利回りを提示される場合がほとんどです。任意組合型は、実質と表面のどちらの利回りかよく確認してからの購入しましょう。

8. 不動産投資をする際に気を付ける点

(※画像はイメージです/PIXTA)
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投資が初めての方にもわかりやすく、気を付けるポイントについて紹介します。以下をよく確認して、納得したうえでの不動産投資を行いましょう。

 

8.1. 資金面の確認

不動産投資は、資金面に余裕を持って始めることが大切です。貯金をすべて投資に使ってしまうと、別件で急な出費がある場合に対応できないケースがあります。

 

8.2. 物件の確認

物件の確認も重要です。特に資産価値の高さと賃料は、利益に直結します。一般的に、大都市の一等地・駅に近い物件は資産価値が高いと評価されます。

 

余裕があれば物件を見に行き、周辺の利便性、雰囲気、最寄り駅の発展度を実際に確認しましょう。住宅であれば、近隣の家賃相場も重要なポイントです。

 

立地のよさ・将来の開発・人口の増減についても確認し、リスクの低い物件選びをしましょう。

 

8.3. 事業者の確認

不動産小口化商品は不動産特定共同事業法で定められている商品であるため、国土交通大臣もしくは各都道府県知事の許可がないと、事業者は営業できません。認可を得ている事業者はこちらの国土交通省のページで確認できます。

 

 

各事業者で利回りは明記されていますが、元本の保証はありません。最悪の場合は、事業者が倒産することもあるため、出資を募っている事業者の経営状態を調べることも重要です。

 

トラブルと元本毀損の際の対応と対策を行っている事業者かを確認しておくと、リスクを減らせます。

9. 相続税対策として不動産小口化商品は有効?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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任意組合型と賃貸型は実際に不動産を保有している評価されるため、現金や金融資産より相続税が安くなる傾向にあります。

 

不動産の相続税評価額は、土地であれば公示価格の70~80%相当、建物であれば公示価格の50%相当で算出されます。評価額が下がれば相続税も引き下げられるため、相続税対策に期待できます。

 

また、不動産小口化商品は通常の不動産と異なり、細分化されているため、1人1口など、相続人で分けやすい点がメリットです。

 

しかし、不動産に限らず、投資にはリスクがあります。損失を出して負の遺産にならないように気を付けましょう。

10. 現物出資型と金銭出資型の違い

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産小口化商品には、現物出資型と金銭出資型の2種類の出資方法があります。ここでは、2種類の出資の相違点を解説します。

 

10.1. 現物出資型

現物出資型は、出資者が不動産の共有持分を購入し、購入した共有持分を不動産特定共同事業者(任意組合)に出資する方法です。

 

不動産の共有持分を購入した際に、投資家が不動産所有権移転登録を行います。登録が済んでから、現物出資の登記を行います。

 

不動産所有の証明を第三者にも示せる点が大きなメリットです。

 

10.2. 金銭出資

金銭出資は、不動産特定共同事業者(任意組合)に金銭のみを出資します。不動産登記は、業務執行組合員の事業者が基本的に行います。そのため、金銭出資では不動産の登記はできません。

 

事業者が不動産の売主の場合、登記にかかる手間と費用がかからない点がメリットです。

11. 不動産小口化商品購入時の各種費用

(※画像はイメージです/PIXTA)
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契約にかかる各種費用は、購入する不動産小口化商品によって変わります。契約の際は、各種費用をしっかり確認しましょう。

 

11.1. 購入時にかかる費用

購入するだけで手数料がかかる不動産小口化商品も存在します。匿名組合型は不要ですが、任意組合型と賃貸型は登記が2回必要なため、登記費用も2回かかります。

 

また、任意組合型と賃貸型は不動産取得税や司法書士の依頼料なども必要です。司法書士の依頼料と報酬は依頼する司法書士によって異なります。金額と司法書士が負担する範囲によって選びましょう。

 

11.2. 運用期間中にかかる費用

購入後の運用期間中に商品を売却する際は、事務手数料が発生する可能性があります。事務手数料は事業者によって異なりますが、一般的には無料〜数万円が相場です。

 

また、事務手数料が発生する商品は、生前贈与にも費用がかかります。事業者に対する運営中の基本報酬と最終売却時にかかる費用をよく確認してください。

12. 運用期間について

(※画像はイメージです/PIXTA)
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投資目的に合わせて、短期運用か長期運用かを明確化します。不動産小口化商品は原則、運用期間中に資金が償還されることはありません。運用期間中に途中解約する場合、満期償還より償還額が著しく減少します。

 

匿名組合型は数ヵ月から10年以内の商品がほとんどです。任意組合型と賃貸型は10年〜30年と、中期〜長期間の商品が多くの割合を占めます。投資の目的と資金によって、短期・長期どちらを購入するか選んでください。

13. 分配金の回数と税区分

(※画像はイメージです/PIXTA)
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購入した商品の分配金は、重要な要素のひとつです。ここでは、分配金の回数と税区分について解説します。

 

13.1. 分配金の回数

分配金の多くは、年に1回か2回の感覚で支払われます。なかには年に6回、あるいは毎月支払われる商品も存在しますが、商品の数は多くありません。任意組合型と賃貸型の中期~長期で投資する場合は、分配金の回数にこだわりすぎなければ、購入する商品の選択肢が広がります。

 

13.2. 分配金の税区分

匿名組合型と任意組合型・賃貸型では税区分が異なります。

 

匿名組合型は、不動産の所有権がないため、雑所得区分に含まれます。任意組合型・賃貸型は不動産の所有権があるため、不動産所得区分です。任意組合型と賃貸型の賃料は不動産所得、売却時には譲渡所得になる場合があります。

 

投資目的によっては、税区分がデメリットになることもあるため、契約時には税区分も確認しましょう。

14. 100万円からでも不動産小口化商品の投資は可能

(※画像はイメージです/PIXTA)
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不動産小口化商品は、匿名組合型は数万円からの投資が可能です。任意組合型と賃貸型でも100万円から投資できる商品は存在します。ただし、相続税対策を目的とするのであれば、任意組合型か賃貸型を契約しましょう。

 

投資には必ずリスクがあることを知ったうえで、自分に合った不動産投資に挑戦してください。