仮想通貨の詐欺の危険性について解説します。過去の詐欺事例や主な手口を紹介しつつ、適切な対処方法など詐欺にあわないために必要な情報もお伝えします。正しい知識を身につけ、大切な資産を詐欺から守りましょう。
仮想通貨で詐欺にあわないためには?主な手口や過去の事例も紹介 (画像はイメージです/Pixabay)

仮想通貨(暗号資産)は数年前まで知る人ぞ知る投資方法でしたが、今や一般人にも広く普及しています。

 

ただし、すさまじい成長スピードに保有者の知識や法律が対応しきれていない部分があり、そのスキを狙った詐欺が横行しているのも事実です。

 

本記事では、仮想通貨で詐欺にあわないようにするために、手口や過去の事例を紹介しながら、押さえておくべき知識を紹介していきます。

1. そもそも仮想通貨は怪しいのか?
1.1. 仮想通貨自体は詐欺ではない
1.2. 仮想通貨に手を出す前に、正しい知識を習得することが大切
2. 仮想通貨の詐欺が増加している背景
2.1. 法的整備が甘い
2.2. 明確な基準がないため相場がわからない
3. 過去に起きた仮想通貨詐欺の手口
3.1. ポンジ・スキーム
3.2. 風説の流布
3.3. 偽の取引所やアプリを紹介
3.4. 虚偽の投資セミナー
3.5. マッチングアプリ詐欺
3.6. フィッシングやなりすまし詐欺
4. 仮想通貨の詐欺又は疑いのあるコイン一覧
5. 仮想通貨で詐欺にあわないための5つの対策
対策1:仮想通貨に関する正しい知識を知っておく
対策2:おいしい話でも他人の言葉を鵜呑みにしない
対策3:確実に儲かる投資は存在しないと覚えておく
対策4:同じ事例がないかをネットで検索してみる
対策5:「暗号通貨(仮想通貨)交換業者」として金融庁に登録されているかを確認する
6. 仮想通貨で詐欺やトラブルにあったときの対処法
6.1. 金融サービス利用者相談室に電話してみる
6.2. 紹介してくれた人に連絡してみる
6.3. 弁護士の無料相談を受けてみる
7. 仮想通貨の詐欺事件で警察に逮捕された事例を紹介
7.1. 無登録で暗号資産(仮想通貨)を募り、650億円を集めた  
7.2. 中国人女性を名乗る人物から「上場前の仮想通貨」への投資話を持ち掛けられ、1,500万円を騙し取られた 
8. 仮想通貨の詐欺に関するQ&A
Q1. 詐欺にあったときは、返金される?
Q2. 日本に仮想通貨の詐欺グループは存在する?
Q3. 泣き寝入りしないためにはどうしたらいい?
9. まとめ

1. そもそも仮想通貨は怪しいのか?

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

そもそも仮想通貨という存在自体に疑問を抱く人も少なくありません。確かに1万円札のように形があるものではないですし、稼げるというワードが一人走りする実情を「怪しい」と感じるのも当然です。

 

ここでは、仮想通貨が本当に信頼できるものなのかを、徹底的に紐解いていきます。

 

1.1. 仮想通貨自体は詐欺ではない

結論から述べると、仮想通貨は決して詐欺ではありません。もし存在自体が詐欺だとするならば、今のように世界中に普及してはいないです。むしろ、取引に不正が生じないシステムを有するのが仮想通貨の強みです。

 

しかし、仮想通貨の知識に乏しい人を騙そうとする詐欺行為をはじめ、法の網目をかいくぐった犯罪は存在します。 

 

1.2. 仮想通貨に手を出す前に、正しい知識を習得することが大切

今や仮想通貨は世界的なブームとなり、保有者のすそ野も一般人にまで広がっています。仮想通貨の情報がネット上に溢れ、売買自体もスマホで簡単に行えるようになっているので、参入障壁が低いです。

 

しかし、全員が仮想通貨に精通しているわけではないので、詐欺の対象として狙われている現状があります。詐欺の被害にあわないためには、まず、正しい知識を習得することが大切です。

2. 仮想通貨の詐欺が増加している背景

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

それでは、なぜ仮想通貨に関連した詐欺が増えているのでしょうか。その要因を理解すれば、身につけておくべき知識がわかります。続いて、詐欺行為の背景にある主な要因を紹介していきますので、参考にしてください。

 

2.1. 法的整備が甘い

第一に、法の整備が追いついていない状況が詐欺の増加につながっています。

 

法律の制定はその国にとって非常に重要な案件であるため、実際に施行されるまでには時間がかかってしまいます。しかし、仮想通貨は法整備が追いついていないまま目覚ましく成長しているため、詐欺行為が通用する抜け道が存在しているのです。

 

2.2. 明確な基準がないため相場がわからない

仮想通貨のボラティリティ(価格変動)は、法定通貨とは比較できないほど激しくなっています。ちょっとした出来事がきっかけとなって何十倍にも急騰したり、暴落したりするのは日常茶飯事です。

 

仮想通貨の適正な相場というものは非常に読みづらいため、異常な価格を扱う詐欺があったとしても気づかずに見過ごしてしまうケースもあります。

3. 過去に起きた仮想通貨詐欺の手口

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

それでは、実際に起きた仮想通貨に関する詐欺の手口を紹介していきます。

 

今後、自分自身が同じような詐欺に遭遇する可能性もゼロではありません。万が一の際に適切に対応できるように、主要な手口については理解しておきましょう。

 

3.1. ポンジ・スキーム

ポンジ・スキームは仮想通貨に限らず多用されている詐欺の手口で、破綻するのを前提に出資を募る行為を指します。

 

建前上、出資者には運用益の配当金がもらえるようになっていますが、実際に受け取るのは新たな出資者からの出資金です。つまり自転車操業で出資金を出し入れしているだけに過ぎず、将来的には破綻する仕組みになっています。

 

3.2. 風説の流布

風説の流布、つまりデマを流す行為もよくある手口です。たとえば、詐欺師は根拠なく「仮想通貨Aの価格が100倍になる」という噂を流し、買い注文を集めます。

 

そこで価格が上昇した瞬間に売り抜け、騙された人の手元には価値のない通貨Aだけが残るという手法です。

 

仮想通貨の情報を的確に判別するには豊富な知識と経験を要するため、巧妙な風説にとらわれてしまうケースが数多く存在します。また、安易な情報発信によって自分が詐欺行為者にならないように注意しなければなりません。

 

3.3. 偽の取引所やアプリを紹介

実在しない仮想取引所やアプリを紹介し、口座開設の過程などで個人情報が流出したり、入金したお金が盗まれたりする詐欺行為も存在します。

 

現在も、仮想通貨関連サービスは次々とリリースされていますが、安易に利用してはいけません。本当に信用できるものであるかどうかの判断を慎重に行いましょう。

 

3.4. 虚偽の投資セミナー

虚偽の投資セミナーにも注意しましょう。

 

これは、形だけのセミナーを開催して高額な参加料を支払わせたり、嘘の情報で出資を募ったりして、お金を騙し取る手口です。

 

初心者が仮想通貨を勉強するにあたってセミナーに参加することは一つの方法ですが、主催者や講師についての評判や、過去のセミナー情報をしっかりと吟味したうえで選択する必要があります。

 

3.5. マッチングアプリ詐欺

最近ブームとなっている、マッチングアプリを利用した詐欺もあります。

 

アプリで親密になった相手に対して資産運用の話を持ちかけ、仮想通貨を送金させるなどの方法でお金を奪う手口です。

 

恋人や気の合う友人を見つけるためのマッチングアプリですが、人の感情を逆手に取った悪質な手口が存在するという事実も理解しておきましょう。

 

3.6. フィッシングやなりすまし詐欺

オーソドックスな手口ですが、仮想通貨の世界においてもフィッシングやなりすまし詐欺が横行しています。これは、取引所などを名乗り、相手を焦らすような文句で仮想通貨での支払いを命じてくるものです。

 

いきなり仮想通貨での支払いを要求されることはないので、公的機関や大手企業からの連絡であっても、思い当たる節がなければ詐欺の可能性があります。

4. 仮想通貨の詐欺又は疑いのあるコイン一覧

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

現在発行されている仮想通貨は、10,000種類以上です。

 

なかにはビットコインやイーサリアムのようにホワイトリスト(金融庁登録済みの取引所で扱う通貨の一覧)に入っているような信頼度の高い通貨もあります。一方で、詐欺だと疑われている通貨や、実際に詐欺だった通貨も存在するのが実情です。

 

しかし、すべての仮想通貨について、その真偽を精査していくのは現実的ではありません。以下に、詐欺の疑いがある、もしくは、疑われていた主な通貨について紹介していますので、一例として覚えておきましょう。

 

通貨名

内容

スピンドル

有名人などを起用して話題性を呼ぶ

ノアコイン

政府公認の誇大広告を打ち出す

クローバーコイン

セミナーを開催し、虚偽の情報を提供する

TCLコイン

紹介者に報酬が入るマルチ商法を利用して販売する

 

5. 仮想通貨で詐欺にあわないための5つの対策

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、仮想通貨に関連した詐欺にあわないための対策を紹介していきます。被害にあってからでは手遅れになりかねないので、なによりも防止が大切です。

 

効果的な5つの対策をピックアップしましたので、覚えておきましょう。

 

対策1:仮想通貨に関する正しい知識を知っておく

仮想通貨に関する正しい知識を知っておくことが、最も基本的な対策です。

 

今は初心者にも使いやすい取引サービスがたくさんあるので、売買するだけであれば誰でも実践することが可能です。しかし、運用する通貨の特徴や適正価格といった知識を身につけずに手を出してしまうと、虚偽の情報を見抜けないため、詐欺被害にあってしまいます。

 

実践も大事ですが、その前に最低限の知識だけは勉強しておきましょう。

 

対策2:おいしい話でも他人の言葉を鵜呑みにしない

他人から「必ず稼げる」「得する」といったおいしい話があっても鵜呑みにしてはいけません。特に、信頼関係が築けていない人からの誘いは詐欺の可能性が高いです。

 

もちろん他人の話がすべて嘘であるとは限らないので、仕入れた情報を吟味するステップを設けるのが被害防止に効果的です。自分の投資判断を後悔しないために、最終的には自分で意思決定をしましょう。

 

対策3:確実に儲かる投資は存在しないと覚えておく

仮想通貨に限らず、投資の世界に絶対はありません。「確実に儲かる」などといった話は100%詐欺だと考えましょう。

 

「稼げる可能性が高い選択を探し出すこと」が投資です。勝率を上げるためのツールや情報はありますが、決して100%の勝率は存在しません。もし、確実に儲かる方法があるのなら、わざわざ他人に教えたりしません。

 

甘い話があっても、関わらないようにしましょう。

 

対策4:同じ事例がないかをネットで検索してみる

自分の状況と少しでも類似するものがあれば、詐欺を疑いましょう。また、少しでも怪しいと感じる場合は、同様の事例がないかネットで調べることをおすすめします。

 

たとえば、怪しいダイレクトメッセージが届いた際に「仮想通貨 ダイレクトメール」と検索すると、具体的な手口が紹介されているサイトが見つかります。自分の状況と照らし合わせて、少しでも類似点があれば詐欺を疑いましょう。

 

対策5:「暗号通貨(仮想通貨)交換業者」として金融庁に登録されているかを確認する

知らない仮想通貨取引所からメールやSNSなどを通じて連絡があった際も、詐欺の疑いがあります。

 

仮想通貨の取引サービスを提供する場合、運営者は「暗号資産交換業者」として公的に登録しなければなりません。そのため、怪しい取引所と接触した際には「暗号資産交換業者」の登録があるかを確認しましょう。

 

なお、登録の有無は金融庁が公開している「暗号資産交換業者登録一覧」から確認できます。

6. 仮想通貨で詐欺やトラブルにあったときの対処法

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

さまざまな予防策を講じていたとしても、詐欺やトラブルに巻き込まれる可能性はあります。

 

続いて、実際に詐欺の被害を受けた場合を想定して、適切な対処法を紹介していきます。自分の大切な資産を守るために、ぜひ参考にしてください。

 

6.1. 金融サービス利用者相談室に電話してみる

詐欺にあったときには、公的サービスを頼るのも効果的な方法です。詐欺の内容を整理してくれたり、しかるべき機関を紹介してくれたり、適切なアドバイスをもらえます。

 

金融サービス利用者相談室なら無料で相談できるので、少しでも不安に思う出来事があれば、利用することをおすすめします。

 

6.2. 紹介してくれた人に連絡してみる

また、知人などに紹介してもらったサービスでトラブルが生じるケースも少なくありません。その際は、まず紹介してくれた人に連絡を取り、詳しく話を聞きましょう。場合によっては、紹介してくれた人も詐欺被害に巻き込まれている可能性があります。

 

なにより、紹介された内容を鵜呑みにするのではなく、必ず自分の目で確かめてから利用するかどうかの判断を行うことが大切です。

 

6.3. 弁護士の無料相談を受けてみる

詐欺やトラブルに対しては、法的根拠をもとに対処する必要があります。よって、詐欺の被害が深刻であれば、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。相談費用の負担が難しい場合は、自治体が開催している無料相談を利用するのも一つの方法です。 

 

詐欺行為は犯罪なので、決して一人で抱え込まず、まずは専門的な人材や機関に相談することを強くおすすめします。

7. 仮想通貨の詐欺事件で警察に逮捕された事例を紹介

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、詐欺事件で逮捕されるまでに至った事例を2つ紹介します。

 

具体的な事例を知れば、身近に潜む詐欺の危険性を再認識できます。詐欺は決して他人事ではないことを忘れてはいけません。

 

7.1. 無登録で暗号資産(仮想通貨)を募り、650億円を集めた  

2021年にジュビリーと名乗る投資グループが無登録であるにも関わらず仮想通貨の出資を集めていたため、役員らが逮捕されました。

 

2年以上にわたって騙し取った出資額は約650億円です。なぜこれほどまでに出資を募れたのかというと、仮想通貨の知識がない若者世代をターゲットにしていたからです。

 

軽い気持ちで仮想通貨ブームに乗ってしまった人たちのスキを巧みに利用した詐欺の一つと言えます。

 

7.2. 中国人女性を名乗る人物から「上場前の仮想通貨」への投資話を持ち掛けられ、1,500万円を騙し取られた 

2021年にSNSで知り合った外国人女性から、「上場前の仮想通貨がある」との情報を得た会社役員がビットコインを騙し取られた事件が発生しました。6回の送金による被害額は、約1,500万円です。

 

SNSを使えば知らない人とも気軽に出会えるほか、顔や連絡先を明かさずにやり取りができるので、詐欺に利用されるケースも少なくありません。

 

典型的な詐欺の事例として、覚えておきましょう。

8. 仮想通貨の詐欺に関するQ&A

(※画像はイメージです/PIXTA)
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仮想通貨の詐欺については犯罪行為ですので、一般人が十分理解出来ていない部分も多くあります。

 

頻繁に使うような知識ではありませんが、大切な資産を守れるように、よくある疑問点への答えについては頭の片隅に置いておきましょう。

 

Q1. 詐欺にあったときは、返金される?

詐欺で騙し取られた資産は、法律に基づいて返金を求めることができます。

 

しかし、必ず手元に返金されるかというと、そうではありません。相手方の所在がつかめない場合やお金の流れが不明確な場合などは返金されない可能性も十分あります。

 

仮想通貨はインターネット上で完結されるため、足取りがつかみづらいというデメリットがあることも忘れてはいけません。

 

Q2. 日本に仮想通貨の詐欺グループは存在する?

結論から言うと、日本にも詐欺グループは存在します。すでに逮捕されましたが、2021年には50人もの規模の詐欺グループによって、約1,500人が合計約20億円を失いました。

 

仮想通貨の詐欺は決して海外に限った話ではなく、自分の身近にも危険が潜んでいるという現実を理解しておきましょう。

 

Q3. 泣き寝入りしないためにはどうしたらいい?

詐欺被害の泣き寝入りを避けるためには、警察や弁護士に相談するところから始めましょう。法的な手続きが必要な場合があるので、専門家の力を借りましょう。

 

また、被害発生時から時間が経ちすぎると財産が処分され、回収が難しくなるので、被害を認識したらすぐに相談です。その際、業者名や取引履歴などの証拠を残しておくことも忘れないようにしましょう。

9. まとめ

(※画像はイメージです/PIXTA)
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この記事では、仮想通貨に関する詐欺について解説しました。

 

正しい知識を身につけておけば、詐欺に騙される可能性は格段に低くなります。しかし、詐欺の手口はどんどん進化していくので、自分は絶対に騙されないと勘違いするのは好ましくありません。仮想通貨を扱う以上、詐欺やトラブルに遭うリスクを常に意識しておくのが大切です。

 

そして、詐欺の被害に遭った場合は1人で抱え込まずに、しかるべきところへ相談しましょう。本記事が、詐欺の被害者を1人でも減らす一助になれば幸いです。