本記事のテーマは、不動産クラウドファンディングにおける 「優先劣後方式」についてです。優先劣後方式のメリット・デメリット以外にも、出資割合の高い運営サービスのご紹介をします。不動産クラウドファンディングに魅力を感じている方は必見です。
不動産クラウドファンディングの優先劣後方式|出資割合の高いサービスも紹介 (※画像はイメージです/PIXTA)
1. 不動産クラウドファンディングの概要
2. 優先劣後方式の仕組み
2.1. 優先出資者
2.2. 劣後出資者
3. 優先劣後方式のメリット
3.1. 元本割れしにくく、利益を確保しやすい
3.2. 事業者と同じ目線で運用できる
4. 優先劣後方式のデメリット(注意点)
4.1. 募集枠が減り、機会損失になりかねない
4.2. 物件によって優先劣後方式の有無・割合に差がある
5. 優先劣後方式の高い不動産クラウドファンディングサービス
5.1. COZUCHI|約30%
5.2. Jointo α|約30%
5.3. PATNERS Funding|30%
5.4. RENOSYクラウドファンディング|30%
5.5. ONIGIRI Funding|約30%
5.6. Rimple|30%
6. まとめ

1. 不動産クラウドファンディングの概要

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産クラウドファンディングとは、出資者から募った資金で運営会社が土地や建物などの不動産を取得・管理・運営する事業です。

 

特長としては以下が挙げられます。

 

  • 少額で投資できる点
  • リスクが低い点
  • 物件の管理を運営会社に一任できる点

 

そのほか、不動産クラウドファンディングの概要は以下の通りです。

 

  • マンション・アパート・賃貸の商業ビル・リゾート地開発、空き家のリノベーションなど、投資対象の種類が豊富にある
  • 案件ごとに所在地や写真をはじめとした詳細な情報が掲載されており、どの物件に投資するかを自分で取捨選択できる
  • 出資するだけで、物件の管理にかかる費用や手間がかからない

 

本記事で説明する優先劣後方式は、上記の「リスクが低い点」にかかわる仕組みです。

2. 優先劣後方式の仕組み

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

「優先劣後方式」とは、配当金の分配や、損失の負担に優先度を付けて取り扱うことです。優先劣後方式を採用することで、優先出資者は、出資金の元本割れリスクを抑える効果が期待できます。具体的には、「投資家(優先出資者)」と「運営会社(劣後出資者)」との2つに分けて扱います。

 

ここからは優先劣後方式の仕組みについて解説します。

 

2.1. 優先出資者

「優先出資者」とは、事業(募集案件)に投資する出資者のことです。運用によって利益が生じると、優先出資者である投資家を優先して利益が分配されます。

 

一方、損失が出た際には、運営会社(劣後出資者)が投資した出資金から優先的にカバーします。つまり、損失額が劣後出資者の範囲内で収まれば、優先出資者の利益は保証されるのです。

 

2.2. 劣後出資者

「劣後出資者」とは、事業を運営する会社(事業者)のことです。

 

事業で得た利益は、投資家(優先出資者)への配当分から優先して差し引かれます。その一方で、損失が出た場合は、事業者が優先して負担する義務があります。一見すると、投資家よりもリスクを多く背負っているように感じます。

 

ただし、以下の場合、優先出資者ではなく、劣後出資者に分配されます。

 

  • 事業の収益が契約時に予定していた額を大幅に超えた場合
  • 物件の売却益が出た場合

 

よって、大きな収益化に成功すれば、劣後出資者は優先出資者よりも分配率を上げられる余地があります。通常よりも多くの利益を得られるメリットは劣後出資者の特権です。

3. 優先劣後方式のメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

優先劣後方式の魅力は、分配する利益の確保を第一に掲げていることです。

 

ここでは、優先劣後方式のメリットについて解説します。

 

3.1. 元本割れしにくく、利益を確保しやすい

前述のとおり、優先劣後方式では、事業で出た損失を事業者の出資割合から割り出した上限まで優先して補てんします。そのため、事業者が補てんする上限に達するまでは、投資家の出資額が目減りすることはありません。

 

また、優先劣後方式では、運用で得た収益は投資家への還元を優先しています。これらの仕組みにより、投資家にとっては元本割れしにくい魅力的な投資方法といえます。

 

3.2. 事業者と同じ目線で運用できる

不動産クラウドファンディングの特徴は、事業者と投資家が運用資金を共有していることです。投資家は資金の共有により、事業者と同じ目線で事業を見守れます。

 

一方、事業者は、事業の損失時には自身の出資分から先に賄われるため、運用に尽力することになります。

4. 優先劣後方式のデメリット(注意点)

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

優先劣後方式のデメリット(注意点)を押さえて、不動産クラウドファンディングの物件選定に役立てましょう。

 

4.1. 募集枠が減り、機会損失になりかねない

優先劣後方式を採用すると、リスクが減る代わりに、1つの事業に対する募集枠が限られてしまうというデメリットがあります。つまり、事業者が出資する割合が大きいほど、募集枠が減ってしまうのです。

 

募集方法は抽選方式・先着順などの種類がありますが、事業者・物件によってどれが採用されているかは異なります。そのため、複数のサービスサイトを逐一チェックして、公開情報を把握しておきましょう。

 

4.2. 物件によって優先劣後方式の有無・割合に差がある

すべての事業者が優先劣後方式を採用しているわけではありません。また、物件によって優先劣後比率の割合も異なります。このような差が起こる理由は、事業者・物件ごとに運用方針の違いがあるためです。

 

もしも劣後出資者の割合が低い物件で損失が出たとき、元本割れするケースがあります。したがって、運営する事業者を選定する際は、会社の規模・運用実績・案件の開示情報を確認し、納得できるまで吟味しましょう。

5. 優先劣後方式の高い不動産クラウドファンディングサービス

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、直近1年以内に掲載開始実績がある不動産クラウドファンディングサービスについて紹介します。

 

過去3件分のファンド実績、優先劣後の価格、平均出資割合と利回りを中心に解説します。

 

5.1. COZUCHI|約30%

(引用:COZUCHI)
(引用:COZUCHI

 

COZUCHI(コズチ)には、劣後出資者の割合が比較的高いという特長があります。また、利回りに関しても比較的高い物件が多く、チェックしておきたい不動産クラウドファンディングサービスです。

 

■1件目

広尾 区分店舗II

募集金額/募集結果

60,000,000円/745,240,000円(応募率1,242%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:75.0% 劣後出資割合:25.0%

想定利回り

​​4.5%

出典:COZUCHI「広尾 区分店舗II

 

■2件目

稲村ヶ崎開発プロジェクト

募集金額/募集結果

500,000,000円/1,008,150,000円(達成率201%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:75.8% 劣後出資割合:24.2%

想定利回り

6.0 %

出典:COZUCHI「稲村ヶ崎開発プロジェクト

​​

■3件目

EXITファンド 学芸大学駅エリア

募集金額/募集結果

200,000,000円/1,596,920,000円(達成率798%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:57.2% 劣後出資割合:42.8% 

想定利回り

13.0 %

出典:COZUCHI「EXITファンド学芸大学駅エリア

5.2. Jointo α|約30%

(引用:Jointo α)
(引用:Jointo α

 

Jointo α(ジョイントアルファ)は、劣後出資者の割合が比較的高い不動産クラウドファンディングのひとつです。

 

一方、利回りが比較的低く、最低出資金額が10万円に設定されています。そのため、他の不動産クラウドファンディングと比べると投資のハードルはやや高めです。

 

手堅い運用を目指している方には、おすすめの不動産クラウドファンディングサービスです。

 

■1件目

アルファアセットファンド学芸大学 第2回

募集金額/募集結果

33,600,000円/307,700,000円(達成率915%)

優先劣後の価格

優先出資額:33,600,000円 劣後出資額:14,400,000円

平均出資割合

優先出資割合:約70% 劣後出資割合:約30%

想定利回り

​​3.2%

出典:Jointo α「アルファアセットファンド学芸大学|第2回

 

■2件目

アルファアセットファンド新梅田 第2回

募集金額/募集結果

15,400,000円円/324,700,000円(達成率2,108%)

優先劣後の価格

優先出資額:15,400,000円 劣後出資額:6,600,000​​

平均出資割合

優先出資割合:約70% 劣後出資割合:約30%

想定利回り

3.2%

出典:Jointo α「アルファアセットファンド新梅田|第2回

■3件目

アルファアセットファンド京都祇園 第2回

募集金額/募集結果

19,600,000円/348,100,000円(達成率1,776%)

優先劣後の価格

優先出資額:19,600,000円 劣後出資額:8,400,000円​​

平均出資割合

優先出資割合:約70% 劣後出資割合:約30%

想定利回り

3.8%

出典:Jointo α「アルファアセットファンド京都祇園|第4回

 

5.3. PATNERS Funding|30%

(引用:PARTNERS Funding)
(引用:PARTNERS Funding

 

PATNERS Fundingは、利回り・劣後出資者の割合ともに比較的高い物件が多く掲載されている不動産クラウドファンディングサービスです。

 

■1件目

藤和シティホームズ新丸子

募集金額/募集結果

12,320,000円/116,260,000円(達成率943%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​10.0%

出典:PATNERS Funding「藤和シティホームズ新丸子

 

■2件目

ルーブル椎名町弐番館

募集金額/募集結果

12,600,000円/98,580,000円(達成率782%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​8.0%

出典:PATNERS Funding「ルーブル椎名町弐番館

 

■3件目

エンクレスト博多

募集金額/募集結果

6,860,000円/95,740,000円(達成率1,395%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​8.0%

出典:PATNERS Funding「エンクレスト博多

 

5.4. RENOSYクラウドファンディング|30%

 

RESONYクラウドファンディングに掲載されている物件は、劣後出資割合が高く、利回りも平均的な数値のため、リスクを抑えて確実な運用ができます。

 

掲載されている物件は人口が多い東京都に集中しているため、空室リスクを抑えた運用が期待できます。

 

■1件目

キャピタル重視型 第24号ファンド

募集金額/募集結果

22,590,000円/112,810,000円(達成率499%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​4.0%

出典:RENOSYクラウドファンディング「第24号ファンド

 

■2件目

キャピタル重視型 第25号ファンド

募集金額/募集結果

19,890,000円/114,310,000円(達成率575%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​4.0%

出典:RENOSYクラウドファンディング「第25号ファンド

 

■3件目

キャピタル重視型 第26号ファンド

募集金額/募集結果

24,930,000円/60,320,000円(達成率242%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​4.0%

出典:RENOSYクラウドファンディング「第26号ファンド

 

5.5. ONIGIRI Funding|約30%

(引用:ONIGIRI Funding)
(引用:ONIGIRI Funding

 

ONIGIRI Funding(おにぎりファンディング)は、劣後出資割合・利回り共に高いことが特徴です。そのため、リスクを抑えて運用ができます。物件によっては劣後出資割合が40%を超えていることもあります。

 

■1件目

タウンシップ川崎

募集金額/募集結果

5,250,000円/26,600,000円(達成率506%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​7.0%

出典:ONIGIRI Funding「タウンシップ川崎

 

■2件目

日神パレステージ古淵

募集金額/募集結果

12,000,000円/21,110,000円(達成率175%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​6.0%

出典:ONIGIRI Funding「日神パレステージ古淵

 

■3件目

エクセルハイムⅢ

募集金額/募集結果

10,000,000円/8,130,000円(達成率81%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​6.0%

出典:ONIGIRI Funding「エクセルハイムⅢ

 

5.6. Rimple|30%

(引用:Rimple)
(引用:Rimple

 

Rimple(リンプル)は、共通して30%の劣後出資割合を設定しています。

 

利回りに関しては比較的低い物件が大半です。ただ一方、前述のRESONYクラウドファンディングと同様、東京都を中心に物件を展開しているため、空室リスクを抑えて運用できるでしょう。

 

■1件目

Rimple's selection #33

募集金額/募集結果

69,700,000/391,600,000(応募倍率:802.62%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​3.0%

出典:Rimple「Rimple's selection #33

 

■2件目

Rimple's selection #34

募集金額/募集結果

71,600,000円/328,020,000円(倍率:654.47%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​3.0%

出典:Rimple「Rimple's selection #34

 

■3件目

Rimple's selection #35

募集金額/募集結果

92,700,000円/290,560,000円(倍率:447.77%)

優先劣後の価格

記載なし

平均出資割合

優先出資割合:70% 劣後出資割合:30%

想定利回り

​​2.9%

出典:Rimple「Rimple's selection #35

 

6. まとめ

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

不動産を対象としたクラウドファンディングで採用されることが多い、優先劣後方式について解説しました。

 

不動産クラウドファンディングは、事業者や物件によってさまざまな特徴があります。本記事で紹介した事例を参考に、不動産クラウドファンディングの事業者選びにお役立てください。