為替の暴落に巻き込まれてしまった初心者トレーダー
為替相場はときに世界情勢の動きによって大きく一方向に動くことがあります。理由は景気後退、戦争、コモディティ商品の価格上昇など様々なものがあります。このような状況下で資産を守れるかどうかが初心者とプロの実力の違いでしょう。まずは相場の暴落に巻き込まれてしまう初心者トレーダーの特徴を解説していきます。
初心者トレーダーの多くは相場が暴落したときに損切りができません。特に持っていたポジションが含み益の状態であった場合はなおさら損切りができないでしょう。これは「プロスペクト理論」と呼ばれる行動心理学を用いて説明することができます。
「プロスペクト理論」とは、人は利益を享受するときよりも損失を被るときのほうが心理的負担が大きくなるという理論です。つまり、FXにおいて同じpips数でも利益を確定するときよりも損失を確定させるときのほうが心理的負担が大きくなるということです。
このようにメンタル管理ができない初心者は暴落時になかなか損切りができず、ずるずると評価損が膨らんでしまうのです。このような評価損を膨らますトレーダーがいる限り、相場の暴落は続きます。
「ここが底?」はまだまだ落ちるサイン
暴落時になかなか損切りができないトレーダーはどんどん膨らむ含み損に耐えきれず、さらなる暴挙に出ます。それが「暴落時の逆張り」です。ほとんどのプロトレーダーは相場が一方向に動く際の逆張りは資産を無くす近道だということを知っています。しかし、なぜ初心者トレーダーは相場が暴落しているときに逆張りをしてしまうのでしょうか。
先ほど説明した通り、含み損を抱えた初心者トレーダーはなかなか損切りすることができません。そうしたトレーダーは相場の暴落が止まり、流れが反転することを望むようになります。また、相場が反転する際に少しでも有利なレートで新規ポジションを取得して、現在の含み損を取り返そうという心理が働きます。こうして含み損を抱えている初心者トレーダーは暴落時に逆張りをするようになるのです。
誰も未来の為替相場を100%予測することはできません。しかし、多くの初心者トレーダーは為替チャートの底を予想しようとします。プロは現在の為替相場の動きに対応して自らの行動を決めているのに対して、初心者トレーダーは未来のチャートを予想しようとします。この為替相場に対する姿勢の違いが暴落時に資産を守れるかどうかに繋がります。
暴落時に為替相場の底を勝手に決めつけてトレードするため、初心者トレーダーは相場の流れに逆張りします。このような逆張りを続けるトレーダーがいる限り、相場の暴落は続きます。そしてこのようなトレーダーが含み損に耐えきれずロスカットするようになると、ようやく相場の転換点が訪れます。