総務省が発表した2021年の家計調査報告によると、2人以上の世帯の平均貯蓄は1,880万円。前年比5.0%増となりました。公的年金が主な収入となり、足りない分は貯蓄を取り崩して暮らしている高齢者夫婦の場合は、どうなのでしょうか。みていきましょう。
貯蓄額は平均2,524万円…「夫婦ともに65歳以上夫婦」それでも少々不安なワケ

「年金生活を送る平均的な夫婦像」

先日、総務省が発表した『家計調査報告 貯蓄・負債編』によると、2021年、二人以上世帯の平均貯蓄額は1,880万円。それに対して負債は567万円でした。また勤労世帯に限ると、平均貯蓄額は1,454万円、負債額は856万円になります。

 

また中央値をみてみると、二人以上世帯で、貯蓄額は1,104万円、負債額は737万円。勤労世帯に限ると、貯蓄は833万円、負債は680万円でした。

 

さらに高齢者世帯についてみていきましょう。夫婦ともに65歳以上の場合、貯蓄額は平均2,524万円、負債額は22万円でした。

 

貯蓄について詳しくみていくと、普通預貯金が641万円、定期預貯金が964万円。そのほか、有価証券(株式、投資信託など)が438万円、生命保険が404万円となっています。

 

そんな高齢夫婦、月々の収入はどれくらいかといえば、『家計調査報告 家計収支編』によると23万1,079円。そのうち公的年金が21万5,603円。2人の年金に加え、1万5,000円ほど収入があるのが、「年金生活を送る平均的な夫婦像」です。

 

そんな2人の1ヵ月の消費支出は22万4,436万円、税金や保険料など、非消費支出が3万0,664万円。黒字額は-1万8,525円です。

 

【65歳年金暮らしの夫婦の平均像】

◎貯蓄:2,524万円
◎負債:22万円

◎収入:23万1,079円(そのうち公的年金が21万5,603円)
◎支出
・食費:6万5,789円
・光熱/ガス代:1万9,496円
・家具/家事用品:1万0,434円
・被服/履物:5,041円
・保険医療:1万6,163円
・交通/通信:2万5,232円
・教育娯楽 1万9,239円
・その他(理美容、身の回り品、交際費等)4万6,542円

出所:総務省『家計調査報告 家計収支編、貯蓄・負債編』より

 

月々、2万円ほどの赤字、年間では24万円ほど。仮に共に85歳まで生きるとすると480万円、95歳まで生きるとすると720万円ほど足りなくなる計算です。