成長株投資の保有期間はどれくらい?
■「買ったあとすぐに下落するケース」は損切り
損切りの判断ポイントの一つは、買ったあとに、すぐに株価が下がるケースです。
これは、この時点ですでに間違っていると判断すべきです。
いい株であれば、買ったあとに上がるはずだからです。下がるということは間違って買ってしまったわけですから、私の場合でも、朝買って、引けが安いと思ったら、その日に売ってしまいたい気持ちになっています。
だから、「この株は上がるに違いない」と思って買った株が、「一向に上がらない。上がらないばかりか、毎日下がっていく」ならば、早めに損切りしなければなりません。
成長株投資の場合は、いい株は長期投資、できるだけ長く持っておくけれど、駄目な株は早く損切りすることが肝要なのです。
成長株では損切りできないと勝てません。投資した成長株で、ダメなものはどんどん損切りしていく覚悟が必要になってくるのです。逆に、上がり始めた成長株は慌てて売らずに、できるだけ長く保有します。
■「株価が上がったとき、どこまで保有できるか」が勝負
逆に、当たったものはひきつける。簡単には売ってはいけません。成長株で上がった銘柄は、簡単に売ってはダメなのです。
2020年のコロナショックで、成長株のほとんどは3月頃に安値となっていました。ですから私は、「4月以降は4400番台の銘柄を買ったほうがいい」とスガシタボイスの会員に伝えました。すぐに動いて購入した人はみな一様に儲かったのですが、大金持ちになった人はあまりいませんでした。みなさん、小金持ち止まり。
なぜかといえば、すぐ売ってしまったからです。
たとえば「Jストリーム」は、およそ2ヵ月ですぐに2倍になりました(図表1)。会員の方の多くは「先生、2倍になりました!」と言って喜んで売った。しかし、その後、どうなったかといえば、10倍になりました。勉強会の会員の方の「2倍になったときに売ってしまったけれど、そのあと10倍になって悔しい」というコメントがまさにこれです。
多くの投資家は少し上がると売ってしまいます。上がったらうれしくなって売ってしまうのですが、2倍になるような株は5倍になる可能性があります。5倍になるような株は10倍になる可能性があるのです。この判断ができるかどうかが勝負の分かれ目になっていきます。
■「上がったら売って、下がったら買う」「下がっても持ち続ける」は素人
また、先述したように、成長株投資では下がったら損切りを検討しなければならないにもかかわらず、下がったからといって買い増す方もいます。いわゆるナンピン買いというものです。株価が下がればその分たくさん購入できるからという理由で買うわけですが、この買い方はバリュー株では通用するかもしれませんが、成長株投資においてはNGなのです。
だから、上がったら売って、下がったら買う、あるいは下がっても持ち続けるのが初心者の考え方だとすると、プロの投資家は真逆です。買ったあとに株価が上がったということは、「自分の考えが当たった」と考え、手放さずにぐっと引きつけなければいけないのです。