不動産小口化商品を「選ぶ・比較するポイント」
①利回り
投資をするうえで、利回りは多くの方にとって気になるポイントでしょう。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」が存在します。不動産小口化商品の説明に記載されている利回りはどちらであるのか、まずはしっかりと確認しましょう。
表面利回りは「(想定される年間の家賃収入÷購入価格)×100」、実質利回りは「(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)×100」で算出されます。諸経費に含まれるものとしては、固定資産税・都市計画税、火災保険料、管理費、修繕費などが挙げられます。つまり表面利回りは実質利回りよりも大きくなるのです。
それぞれの商品には基本的に利回りが記載されていますが、表面利回りなのか実質利回りなのか、事前にしっかりと確認しておきましょう。
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また「利回りは大きければ大きいほどよい」と考える方もいらっしゃいますが、不自然に大きい場合、リスクも大きい可能性が否めません。家賃収入の変動リスクが高い場合には利回りが高く、安定している場合には低くなる傾向にあるのです。そのほか、表面利回りが表記されていて、蓋を開けてみれば実質利回りはかなり低いというケースもあります。
数字の大きさに誘われずに、なぜ利回りが大きいのか?、利回りの蓋然性を見定める必要があるでしょう。
②運用期間
運用期間も重視すべきポイントです。運用期間とは、投資家が出資した資金を事業者が運用する期間のことを指します。
この期間中に元本の資金が返ってくることは基本的にありません。追加出資を求められる商品もありますし、なかには中途解約ができない商品もあります。
投資の途中で突然の出費が発生する可能性も十分にあるため、じっくりと長く運用できる商品については特に、慎重に選ぶことをおすすめします。
そして相続対策のために運用を考えている場合は、相続が発生する前に運用期間が終了してしまうことのないよう、長期運用ができる商品を選ぶとよいでしょう。
③配当金の税務区分
配当金について税務署へ申告する際、匿名組合型では「雑所得」、任意組合型では「不動産所得」の扱いになります。
不動産所得は所得税・住民税の対象となるため、条件によっては青色申告で65万円の特別控除が受けられる可能性があります。
ただし任意組合型であっても商品によっては「賃料収入は不動産所得、売却代金は譲渡所得」と分けられる場合があるため、税務区分によるメリットと併せて事前に確認しておきましょう。
④稼働率
稼働率からは、その物件の資産価値や需要の高さがうかがえます。稼働率が高ければ利回りも高くなりますし、資産価値は収益に直結するものです。稼働率が高い物件、今後高くなりそうな物件(リニューアルがあるなど)を見定めることも、1つのポイントといえるでしょう。
⑤節税効果の高さ
不動産が相続対策に効果的である理由は、時価と比較した相続税評価額の低さにあります。そのため一等地の不動産なら、より大きな節税効果を得ることが可能です。
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また、相続の際の「分割のしやすさ」や「名義変更の際の手数料」などは事業者によって異なるため、その点も事前にチェックしておきましょう。
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