不動産小口化商品に囁かれるデメリットの噂…
都内のオフィスビルなど、ひとつの高額な不動産が小口に分けられ、通常1口100万円~500万円ほどで販売されている不動産小口化商品。
「個人での所有が難しい物件に小額から投資できる」という魅力を持つ一方で、「リスクも大きい」「デメリットも多いのでは?」といった声も聞かれます。
投資先として選ぶにせよ、選ばないにせよ、リスクやデメリットを知っておく必要があります。この記事で、まずは巷で噂されている“不動産小口化商品のデメリット”を4つ検証していきましょう。
【連載第1回】相続対策になる?一口いくら?「不動産小口化商品・虎の巻」
不動産小口化商品に囁かれるデメリット
①商品数が少ない
購入希望者の多さに対して商品数が少なく、人気の商品には応募が殺到するため、買いたいと思っても買えない可能性があります。
魅力の裏返しとも取れますが、不動産小口化商品はメインの投資先とするのではなく、あくまで分散投資先のうちのひとつとするとよいでしょう。
②元本保証がない・値下がりの可能性がある
出資法によって元本保証をし資金の受け入れをすることが禁じられているため、元本保証がない点もデメリットとして挙げられます。
これは小口化商品に限ったことではなく、現物の不動産投資と同様でありますが、不動産価値が下がってしまうと、売却の際に元本割れを起こすリスクがあることを念頭に置きましょう。
③賃料収入の保証がない(空室リスク)・収益の受け取り頻度が低い
3つ目も不動産投資全般にいえることですが、想定より長く空室状態が続き、賃料収入が減ってしまう可能性にも留意する必要があります。
また、不動産小口化商品の収益分配は通常、年に1.2回です。毎月家賃を受け取れる現物不動産投資と比べると収益の受け取り頻度が低くなる点は、好みの分かれるところかもしれません。
④運営会社を通すと利回りが低くなりやすい
物件の管理・修繕などを運営会社に任せることになるため、家賃収入の一部を取られ、自身で不動産投資をおこなう場合と比べると得られる利益が少なくなる傾向にあります。
メンテナンス等の業務をすべて任せることは、利回りが低くなる点ではデメリットといえますが、手間は省けるため明確なメリットでもあります。
購入する不動産の種類やエリア、管理方法、売却タイミングが運営会社に委ねられているため、自分自身で決められない点も、現物不動産投資と異なるところです。中途解約ができない商品もあるので、解約手数料など、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
またそもそも事業者が倒産してしまうこともあり得ますので、信頼性の高い事業者を吟味する必要があるでしょう。
不動産小口化商品を選ぶべき大きなメリット
デメリットやリスクもある一方で、不動産小口化商品にはそれを超える大きなメリットも存在します。ここからは、メリットについてみていきましょう。
不動産小口化商品のメリット
①少額から始められる
まず、個人所有が難しい数十億円単位の物件に少額から投資できる点は、やはり大きなメリットといえるでしょう。
空室リスクはどの不動産投資にも存在するため、価値と需要の高い物件に投資したいもの。都内の一等地など、資産価値が高く、人の入りやすい優良物件へ気軽に投資できる魅力的な商品が、不動産小口化商品なのです。
分散投資先のひとつとして選択するのにも最適といえ、リスクが分散できることもメリットです。
②不動産のプロが選ぶ物件に投資できる
不動産小口化商品は、国交省大臣または都道府県知事の許可を得た事業者のみに取扱いが許されています。
そんなプロにお任せできる点で、不動産投資初心者の方にはうってつけといえるでしょう。
③REITではなれない、「不動産保有者」になれる
任意組合型を選べば、実際に不動産の所有権を持って運用することができます。相続税対策にも有効な点が大きなメリットです。
④管理の手間がない
通常の不動産投資では、建物の管理・修繕や住人からの家賃回収などもこなす必要があります。一方、不動産小口化商品ではメンテナンスも管理もプロの業者に丸々任せることができ、負担を減らすことが可能です。
メリットとデメリットを並べて比べてみると、それぞれは表裏一体であることがわかります。ぜひ、リスクを念頭に置きつつ最適な投資商品を選択していただければと思います。
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