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ボストンの病院でワクチン未接種患者への心臓移植拒否
米国、ボストン病院が新型コロナウイルスの予防接種を受けていない患者の心臓移植を拒否したことが賛否を呼んでいます。
患者のDJファーガソン(31歳)は心臓移植を望んでいますが、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院は彼を心臓移植のリストから外したと、患者の父が語りました。患者は「ワクチンを信用していない」と主張する一方、病院側は「(今回の判断は)当院のポリシーに従ったものだ」と述べています。
病院はBBCに対し、「利用可能な臓器が不足していることを考えると、移植を受ける患者の生存可能性を最大にするため、出来る限りのことをしている」との声明を出しました。
声明では病院側は慎重に言葉を選んでおり、ワクチン未接種以外の要因も心臓移植拒否に絡んでいる可能性があります。しかし、患者のプライバシーを考慮し、病院側は具体的な内容については避けました。
また、同病院は臓器不足のため、臓器移植を望む約10万人のうち、5年以内に臓器を受け取ることができない人がほとんどであると付け加えました。
ある医療関係者は、移植手術時には(拒絶反応を回避するために)免疫を抑制することを指摘。感染症に対する抵抗力も低下するため、術後生存率を最大化するためにはワクチンが必要であるとして病院の判断を支持しました。
アメリカでは他にも、ワクチン未接種者への医療提供を巡って問題が起きています。今月初めには、ワクチン未接種の夫から人工呼吸器を外そうとしたとして、ミネソタ州の女性が地元の病院に訴えました。
「オミクロン株」対応の新ワクチン、臨床試験を開始
ファイザー社とバイオンテック社は、オミクロン株に対応する新しいワクチンの臨床試験を開始しました。
両社は、接種完了者へのブースター接種と、ワクチン未接種者を対象にした3回の接種を行い、この新しいワクチンの予防効果を検証する予定です。この臨床試験には、1,400人以上が登録される見込みです。
また、米国のモデルナ社もオミクロン株に対応するワクチンを独自に開発しており、試験をまもなく開始する予定です。オックスフォード大学とアストラゼネカも新ワクチンの開発に着手しています。
ワクチンの開発者は新しい変異株の登場に合わせてワクチンを調整していくことを想定していましたが、この2か月間にオミクロン株が急速に広がったことにより、その予定をさらに急ぐことになりました。ファイザー社とバイオンテック社は今年中に40億回分のワクチンを製造する予定です。
南アフリカでオミクロン変異種が発見された直後、ワクチン製造メーカーは新しいワクチンを100日以内に用意できると発表しました。
しかし、新しいワクチンが既存のワクチンよりも優れているかどうかはまだ確実ではありません。オックスフォード大学・アストラゼネカ社のワクチン開発を主導したアンドリュー・ポラード教授によれば、「オミクロンは非常に早いスピードで広まっており、最新のワクチンを素早く作って配備するのはかなり困難である」と述べています。