国民年金や厚生年金の加入者が死亡したとき、残された家族に支給される「遺族年金」。果たしてそれだけで生活することは可能なのでしょうか。シミュレーションで見ていきます。
夫が急死…残された家族は「遺族年金だけ」で生きていけるか?【シミュレーション】 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫、享年40歳…残された家族の「遺族年金額」

万が一のとき、遺族の生活を支える遺族年金。実際にどれほど支給されているのでしょうか。厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、遺族基礎年金の給付数は9万人で、平均年金額は8万4,173万円。遺族厚生年金の給付数は567万人で、平均年金額は8万2,947円でした。

 

平均では8万円程度となりますが、実際にどれくらいの遺族年金を手にすることができるのか、考えてみましょう。仮に下記のような家族がいたとします。

 

夫:享年40歳(厚生年金加入期間200ヵ月)、大卒、月収44万円

妻:38歳、専業主婦

長男:8歳

長女:5歳

 

妻が48歳までは、「遺族基礎年金:約78万円」+「子ども2人の加算額:約45万円」+「遺族厚生年金:約48万円」、1年で171万円、1ヵ月に14万円ほどが給付されます。

 

妻が51歳までは「遺族基礎年金:約78万円」+「子ども1人の加算額:約22万円」+「遺族厚生年金:約48万円」、1年で148万円、1ヵ月に12万円ほどが給付されます。

 

妻が65歳までは「遺族厚生年金:約48万円」+「中高齢寡婦加算:約58万円」が給付され、1年で106万円、1ヵ月に9万円ほどが給付されます。

 

65歳以上では「老齢基礎年金:約78万円」+「遺族厚生年金:約48万円」、1年で117万円、1ヵ月に9万7,500円ほどが給付されます。

 

2人の子どもを育てをしながら月12万〜14万円の生活費。賃貸か、持ち家かなど、生活スタイルによりますが、少々心許ない金額です。経済的なことを理由に、諦めなければいけないことは色々とあるでしょう。

 

安心して暮らしていくためには、このような不測の事態に備えて民間の保険に入っておくほか、実家に戻るとか、収入を増やすために働きにでるとか、何かしら対策が必須です。