給料のうち、いくら貯蓄にまわせばいいのだろう……誰もが一度は考えたことでしょう。しかしお金のことは、人には聞きづらいもの。そこで総務省の統計データから、平均像を探っていきます。
年収200万円の「おひとり様」に待ち受ける、老後「働かないと暮らせない」の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

【関連記事】【すべて見る】都道府県「貯蓄額」ランキング…2021年「1~47位」を発表

日本人の平均貯蓄率は「38.7%」

総務省『家計調査家計収支編』(2020年)によると、勤労世帯(世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている世帯)の貯蓄率(黒字率:可処分所得に対する黒字の割合で、「黒字÷可処分所得×100」で算出)は38.7%。これは、世帯主の年齢が49.8歳、同居する家族は3.31人、世帯の可処分所得(手取り収入)は49万8,639円の場合。実際にどれくらい貯蓄にまわせるかは、年齢や家族構成など、ライフスタイルやライフステージによって変わります。

 

まず年齢ごとに貯蓄の状況をみていきましょう。

 

世帯主30代前半までの勤労世帯(二人以上世帯)の手取り収入は月々46万円ほど。そのうち20万円ほどが貯蓄にまわります。手取りが最も増えるのは50代前半で55万7,002円ですが、貯蓄額が最も増えるのは30代後半で23万6,730円。

 

30代後半といえば、子どもの教育やマイホームを見据えて準備をしているでしょうか。できるだけ生活を切り詰めて、未来に備える……そんな家族像がみえてきます。

 

一方、定年を迎えて収入も減少する60代以降は、貯蓄額もぐっと減って20%代。収入が限られ、貯蓄にお金をまわす余裕もなくなってきますし、足りない分は貯蓄を取り崩して、というライフスタイルになりますから、当然の結果といえるでしょう。

 

年齢別にみていくと、現役世代のおおよそ貯蓄額は毎月20万円程度、貯蓄率は40%程度という姿がみえてきました。

 

次に世帯主の収入(額面)別にみていきましょう。世帯主の収入が10万円未満という世帯だけ、毎月8万円の赤字になるほかは、どの階層でもプラス。収入があがるにつれて貯蓄率はあがり、収入が「70万〜80万円未満」では貯蓄率は50%台。給与の半分は貯蓄にまわります。その後「給与が増えた分だけ支出も増える」というスタイルになりますが、収入が「110万円以上」となると、貯蓄率も増える傾向にあります。

 

【二人以上の勤労世帯…世帯主の収入別「貯蓄額と貯蓄率」】

「10万円未満」 -80,466円/-54.40%

「10万~15万円未満」 60,233円/20%

「15万~20万円未満」 93,064円/26.70%

「20万~25万円未満」 120,909円/31.90%

「25万~30万円未満」 151,841円/35.20%

「30万~35万円未満」 203,055円/41.80%

「35万~40万円未満」 213,027円/41.20%

「40万~45万円未満」 241,802円/41.80%

「45万~50万円未満」 279,100円/44.30%

「50万~55万円未満」 329,743円/48.20%

「55万~60万円未満」 326,167円/46.30%

「60万~65万円未満」 388,482円/49.60%

「65万~70万円未満」 383,447円/49.40%

「70万~80万円未満」 421,274円/50.80%

「80万~90万円未満」 393,688円/43.40%

「90万~100万円未満」 436,107円/43.40%

「100万~110万円未満」 475,475円/47.10%

「110万円以上」 662,885円/54.30%

 

出所:総務省『家計調査家計収支編』(2020年)より