日本は世界でも有数の長寿国として知られています。一方で社会問題となっているのが、高齢者の貧困。65歳以上の生活保護者は100万人を超えているといいます。生活苦に陥る日本の高齢者の実情をみていきましょう。
「65歳以上の生活保護受給者」100万人超え…長生きがリスクとなる日本の現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

世界主要国のなかでも「日本における高齢者の貧困率」は高水準

生活保護を受けていなければ生活苦ではないかといえば、そうではありません。内閣府『令和2年版高齢社会白書』によると、高齢者世帯の所得階層別分布は年収「150万~200万円未満」が最多。「150万円以下」は23.5%います。

 

ちなみに日本の高齢者の貧困率(相対的貧困率。等価可処分所得が貧困ライン以下の世帯の割合)は2018年、20.0%。先進7ヵ国のなかでは米国に次ぐ数値です。

 

【世界主要国「高齢者の貧困率」上位10】

1位「韓国」*43.40%

2位「エストニア」34.50%

3位「ラトビア」33.80%

4位「リトアニア」28.70%

5位「メキシコ」*26.60%

6位「コスタリカ」24.80%

7位「オーストラリア」*23.70%

8位「米国」23.00%

9位「スイス」21.40%

10位「イスラエル」20.60%

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11位「日本」*20.00%

 

出所:OECD(2019年)

*2018年データ

 

世界の中でも高齢化が進んでいるため、当然の結果かもしれませんが、高齢者の5人1人という水準ですから、「長生き」を喜んでいる状況ではないといえるでしょう。セーフティネットの構築はもちろんですが、各自が老後に備えて資産形成を進めていくことが求められています。