資産形成の第一歩は家計を知ることから。今回焦点をあてるのは「家計に占める寄付支出額」。総務省の調査でみていくと、地域ごとに大きな差があることがわかりました。みていきましょう。
都道府県「寄付額」ランキング…1位「東京」と47位「福井」に8倍差 (※写真はイメージです/PIXTA)

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コロナ禍で「共同募金額」15%減

「歳末助け合い運動です、募金、お願いしますー」

 

コロナ禍で見かけることはありませんが、募金を呼びかける光景は、年末の街角の風物詩でした。学校を通じて募金を呼びかけることも多いので、共同募金を通じて寄付をしたことがある人は多いでしょう。

 

共同募金は、戦後、社会福祉施設などに対する財政補填のために行われていた民間の募金活動を制度化したもので、社会福祉法第113条で、以下の通り規定されている募金活動です。

 

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都道府県の区域を単位として、毎年1回、厚生労働大臣の定める期間内に限ってあまねく行う寄付金の募集であって、その区域内における地域福祉の推進を図るため、その寄付金をその区域内において社会福祉事業、更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営する者(国及び地方公共団体を除く。)に配分することを目的とするものをいう。

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厚生労働大臣の告示により、10月1日から翌3月31日までの6ヵ月間が運動期間で、赤い羽根共同募金や歳末たすけあい募金なども合わせて実施されています。また募金で集められた寄付金は、地域福祉の推進のために行われる様々な事業を対象に、翌年度の末日までに都道府県内の地域福祉団体等に使途を明確にして配分されています。

 

助成を希望する場合、最寄りの共同募金会に書面で申請。配分委員会の審査を経て公正・公平に配分の可否が決定されます。また社会福祉法では共同募金運動終了後の翌年度末までにすべて助成することを義務付け、また寄付金を迅速に各種福祉活動に反映させるため、年度内に助成(使途)を決定することを原則としてます。

 

中央共同募金会によると、2020年度の募金総額は168億8,370万9,450円。そのうち、赤い羽根共同募金による募金は74.3%、歳末たすけあい募金は21.9%、NHK歳末募金が3.8%となっています。

 

赤い羽根共同募金の総額のピークは1995年で179億円。歳末たすけあい募金の総額のピークは1993年で86億円。この20年あまりで、赤い羽根共同募金は7割ほどに、歳末たすけあい募金は5割ほどの寄付額になっていました。さらにこのコロナ禍で募金活動も制限され、2019年度比では15%ほど減少しています。

 

募金額の減少は半ば強制とされる募金活動に対する嫌悪感といわれています。いかに自発的な行動としての寄付を根付かせるか、今後の課題です。