都道府県別「家計に占める寄付による支出額」
地域や学校の活動として募金活動が行われてきた経緯により、家計に占める寄付への支出は地域が差があります。総務省『家計調査家計収支編』でみていきましょう。なお、家計調査は県庁所在地ごとの調査であり、地域の実情とズレている場合があります。また単年の結果では抽出世帯によるズレが考えられるので、2018年からの3年間平均でみていきます(関連記事:『【2021年】都道府県「寄付額」ランキング』)。
47都道府県の中で、最も寄付額が多いのは「東京都」で年間1万1,855円。続いて「神奈川県」で1万1,154円。「岡山県」「埼玉県」「奈良県」と続きます。
一方で寄付額が少ないのが「福井県」で1,511円。続くのが「沖縄県」で1,662円。「宮崎県」「茨城県」「和歌山県」と続きます。
【都道府県「寄付額」ランキング】
1位「東京都」11,855円
2位「神奈川県」11,154円
3位「岡山県」8,758円
4位「埼玉県」8,558円
5位「奈良県」8,436円
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43位「和歌山県」2,784円
44位「茨城県」2,710円
45位「宮崎県」1,883円
46位「沖縄県」1,662円
47位「福井県」1,511円
出所:総務省『家計調査家計収支編』より作成
※数値は、2018~2020年の平均値
1位と47位では8倍近くの差がありました。この結果は家計における寄付額を切り取ったもの。前出の通り、日本では寄付活動=地域や学校の活動、という文化が根強く、それにより地域差が生まれている可能性があります。
美徳は隠れて行うもの、という日本人特有の価値観によって、日本では寄付文化が根付きづらい、といわれてきました。しかし東日本大震災を機に、個人の寄付総額は上昇傾向にあり、日本でも着実に寄付文化は定着し始めています。
コロナ禍でも貧困などの社会問題が改めて浮き彫りになりました。寄付は、そのような社会問題を解決するひとつの方法でもあります。