2019年に起こった「老後資金2,000万円問題」。国も資産形成を積極的にすすめていることもあり、実際に投資を始めたという人も多いのではないでしょうか。いろいろな投資手法がありますが、なかでも馴染みの深いのが株式投資や投資信託でしょう。ただお金のことになると、おおっぴらに「いくら投資している?」「どこに投資している?」などと聞きづらく、周囲の人はどうしているのだろう……と気になるばかり。そこで日本証券業協会が行っている『個人投資家の証券投資に関する意識調査』から、株式投資家の投資行動についてみていきましょう。
保有額「1,000万円超え」が6人に1人…株式投資「勝ち組」の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

株式はいくらもっている?

株式の保有状況についてみていきましょう株式保有額(個人・時価)は、500万円未満が7割。推計の平均保有額は729万円で、1000万円を超える投資家が16.6%。株式投資家6人に1人という水準です。

 

【株式投資家に聞いた…「株式保有額(個人・時価)」】

「10万円未満」9.5%

「10~50万円未満」14.0%

「50~100万円未満」14.7%

「100~300万円未満」21.5%

「300~500万円未満」12.6%

「500~1,000万円未満」10.7%

「1,000~3,000万円未満」11.5%

「3,000~5,000万円未満」2.8%

「5,000万円以上」2.6%

出所:日本証券業協会『個人投資家の証券投資に関する意識調査』(2021)より

 

投資のスタンス…いつ売却するつもりか?

投資スタンスをみていきましょう。最も多いのが、長期保有を前提としている人が過半数で、「値上がり益によっては売却」「配当状況によっては売却」を合わせると7割に達します。長期的な資産形成を視野に入れている人が多いことが分かります。

 

【株式投資家に聞いた…投資のスタンス】

■概ね長期保有だが、ある程度値上がり益があれば売却する

…50.5%

■値上がり益重視であり、短期間に売却する

…11.4%

■配当・分配金・利子を重視している(配当等の状況によっては売却する)

…19.5%

■株主優待を重視している

…12.1%

■その他

…0.3%

■特に決めていない

…6.2%

 

出所:日本証券業協会『個人投資家の証券投資に関する意識調査』(2021)より

 

株式の保有期間は?

実際に株式の保有期間を聞いたところ、10年以上が25.0%に達し、推計の平均保有期間(全体)は、59ヵ月(4年11ヵ月)になりました。

 

【株式投資家に聞いた…株式保有期間】

「~1ヵ月未満」2.4%

「~3ヵ月未満」4.1%

「~6ヵ月未満」5.3%

「~1年未満」8.2%

「~3年未満」19.8%

「~5年未満」17.6%

「~7年未満」10.0%

「~10年未満」7.7%

「10年以上」25.0%

 

出所:日本証券業協会『個人投資家の証券投資に関する意識調査』(2021)より

 

日本証券業協会の調査から株式投資の実態をみてきましたが、長期保有を前提に資産形成を目的とした人が多いことが垣間見ることができました。なかには、1,000万円以上の資産を築いている投資家も。もちろん株式保有額が多い=勝ち組とは限らないことには留意が必要です。ただ投資で勝つには時間を味方につけること、とはよくいわれていること。資産形成を見据えた投資は、なるべく早く始めることが必勝法だといえそうです。

 

 

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