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「家計の負債額」全国平均は572万円…その9割が「土地・住宅を購入するため」の借金
総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』によると、二人以上の世帯における1世帯当たり負債額は572万円。昨年より、2万円ほど増加しました。また貯蓄額の中央値は1061万円、負債の中央値は711万円。差し引き、300万円ほどプラスというのが一般的な家庭といえるでしょう。一方、貯蓄額の第1十分位数(下位10%)は137万円、負債額は95万円と30万円ほどのプラスとなり、辛うじて黒字をキープ。貯蓄額を負債額が上回る、債務超過で苦しんでいる家庭はごく一部だといえるでしょう。
もちろん負債額が貯蓄額を下回っていることと、生活が楽であることはイコールではないことは、多くの人が実感している事実です。
家計の負債について、いろいろな角度からみていきましょう。負債額全国平均の572万円に対し、「住宅・土地のための負債」が518万円と、約9割を占めます。家計の負債はほぼマイホーム購入によるものといえるでしょう。その他の負債は36万円、クレジット利用(月賦・年賦)は18万円となっています。
さらに世帯主の年齢ごとに負債額を見ていくと、最も負債額が大きいのが30代で1,330万円。このころ、多くがマイホーム購入を決心するということが推測されます。
【世帯主年齢別「平均負債額」】
20代 690万円(年間収入564万円)
30代 1,330万円(年間収入675万円)
40代 1,231万円(年間収入786万円)
50代 699万円(年間収入869万円)
60代 242万円(年間収入592万円)
70代 86万円(年間収入441万円)
出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より
また世帯主が勤める企業の規模別にみていくと、従業員規模500人くらいまでは企業規模が大きくなるにつれて負債額も増えていく傾向にあります。企業規模が大きくなると年収も増え、購入する住宅の価格も高くなるであろうこと、また「従業員300~500人未満」の持ち家率が最も高くなることなどが関係していると考えられます。
【世帯主勤務先の企業規模別「平均負債額」】
「従業員10人未満」574万円(年間収入586万円/持ち家率78.7%)
「従業員10~30人未満」608万円(年間収入600万円/持ち家率74.4%)
「従業員30~100人未満」726万円(年間収入657万円/持ち家率80.5%)
「従業員100~300人未満」692万円(年間収入738万円/持ち家率80.5%)
「従業員300~500人未満」1,016万円(年間収入729万円/持ち家率82.9%)
「従業員500~1,000人未満」1,101万円(年間収入778万円/持ち家率81.1%)
「従業員1,000人以上」1,093万円(年間収入847万円/持ち家率79.8%)
「官公庁」954万円(年間収入863万円/持ち家率83.5%)
出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より