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高齢夫婦…「年金+貯蓄の取り崩し」で生活する老後の実態
毎日毎日働けど楽にはならず……
そんな日々を送ってきたわけですから、定年後、年金生活になったのなら、それだけで暮らせたら、これ以上、幸せなことはありません。
では一体、いったいいくらあれば、年金だけで暮らせるのでしょうか。生活スタイルや住んでいる地域によって支出額は変わってくるので、一概にいうことはできませんが、総務省『家計調査家計収支編』から平均値をみていきましょう。
対象は「65歳以上の夫婦一組の無職世帯」。夫婦ともにリタイアして、年金暮らしをしている人たちです。また調査年によってバラつきがあるので、2018年から2020年の3年間の平均値でみていきます。
それによると、高齢者夫婦世帯の「実収入」は23万9,051円。そのうち年金は21万2,335円。それに対して「実支出」は26万3,728円、そのうち「消費支出」は23万3,317円、税金などの「非消費支出」は3万0,411円。毎月、-2万4,677円の赤字となり、その分は貯蓄を取り崩しているという状況です。
【無職高齢者夫婦の平均像】
「実収入」23万9,051円
「うち公的年金給付」21万2,335円
「実支出(消費支出+非消費支出)」26万3,728円
「うち消費支出」23万3,317円
「うち食費」6万5,860円
「うち住居費」1万3,923円
「うち光熱・水道費」1万9,911円
「うち家具・家事用品費」9,914円
「うち被服及び履物費」5,645円
「うち保険医療費」1万5,666円
「うち交通・通信費」2万7,731円
「うち教養娯楽費」2万2,900円
「うちその他消費支出」5万1,759円
「うち非消費支出」3万0,411円
「黒字額」-2万4,677円
「黒字率」-12.0%
出所:総務省『家計調査家計収支編』「65歳以上の夫婦一組の無職世帯」2018年~2020年より算出
※数値は各項目の3年平均値であり、合計値とは一致しない
もし年金だけで暮らしていくことを考えるならば、手にする公的年金分だけ節約するしかありません。すでに年金暮らしを始めている状況で生活水準を下げる、というのは至難の技。実現は難しいでしょう。