少子化が進む一方で、「我が子にはより良い教育を受けさせたい」と私立中学校の人気は高まるばかり。いったいどれくらいの児童が中学受験を経験し、実際に私立中学校に進学しているのでしょうか。東京都教育委員会の資料から、東京都市部のデータを見ていきます。
【最新】東京市部「私立中学進学率ランキング」…都市部と郊外の露骨な受験格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

そして第1位は「武蔵野市」で、私立中学校進学率は29.65%。東京都区部では「台東区」の次、12位にランクインする進学率です。「武蔵野市」は「杉並区」に隣接する市で、その中心は人気の街ランキングでも上位常連の「吉祥寺」。駅周辺には大手進学塾が集積し、東京でも教育熱の高いエリアです。JR中央線のほか、京王井の頭線も利用でき、遠方にある私立中学校への通学も容易という環境も、高い私立中学校進学率を誇る要因かもしれません。

 

一方、東京市部で最も私立中学校進学率が低いのは「青梅市」で3.80%(郡部も入れると「檜原村」で私立中学校進学者なし)。「青梅」から「新宿」へはJR中央線で約1時間程度。市内に私立中学校はなく、「青梅」駅周辺には中学受験を主体とする進学塾もありません。もし受験を見据えて塾に通うとなると、30分ほどかけて「立川」に通うのがひとつの手。このような環境もあり、私立中学校進学率は低めとなっています。

 

中学受験を突破するには自力では難しく、進学塾は欠かせない存在。進学塾が多く集積する都市部が、やはり中学受験では優位といえます。また進学塾のなかでも校舎によって進学率にバラつきがあり、それによっても進学率に格差が生じてきそうです。

 

ただこのコロナ禍でリモート授業が当たり前になりつつあります。もしかすると、中学受験塾においてもリモート化が進めば、都市部有利の構図は変わっていくかもしれません。