40代、50代がひきこもるのも「不思議ではない」理由
40代、50代ともなると、給料もそれなりに高額になるため、リストラの標的にされやすく、突然、解雇を言いわたされるケースも少なくありません。また、リストラには遭わなくても、職場での強烈ないじめや過酷な労働環境などに耐えられずに会社を辞めていく人もいます。
最近では、郷里に住む親の介護のためにやむをえず退職する人も目立つようです。
いずれにしろ、中高年の人が会社を辞めると、新しい職をみつけることは至難の業で、東京や大阪などの都市部でさえ、再就職先をみつけることがむずかしくなるのです。
それでも、都市部では非正規やアルバイトならみつかるかもしれません。最初のうちは、それまでのキャリアで培った自分のスキルを少しは活かせるような職場を望んでいた人も、不採用通知の山を見ると、高望みはできないことを思い知るようになるのでしょう。食べていくために非正規やアルバイトで手を打つ方もいるわけです。
しかし、たとえば、コンビニやラーメン店などで働きはじめたとします。そこにはたいてい年下の上司がいます。年下であっても、相手が上司や先輩なら立てなければならないような文化が日本にはまだ根強く残っているようです。
20代の上司が、40代、50代の部下にえらそうに命令したり、怒鳴りつけたりしているのを飲食店やコンビニなどで見たことがある方もいるかもしれません。中高年の部下は自分を必死で抑えているのでしょう、頭を下げ続けていたりするのです。ボロボロに傷つけられた心を抱えて働きつづけることにも、限界があります。
読者の方々は、このような状況で働きつづける自信はおありでしょうか。おそらく、半分以上の方が首を横に振られると思います。
ようやくみつけた非正規やアルバイトも続かなかったとしたら、立ち直ってまた新しい職を探すのは、容易なことではありません。また、無職の状態では体裁も悪く感じられ、友だちとも会いたくないでしょう。第一、友だちと会うとなれば、交通費も、食事代もかかります。
そうなると、なるべくお金を使わないようにするためにも、なんとなくひきこもるようになっていくのも不思議ではないでしょう。