日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「沖縄県の最新の公示地価」。どれくらいの地価なのか、これからマイホームを夢見る会社員には気になるところ。注目地点の地価を見ていきましょう。
沖縄の地価ランキング…本島よりも「宮古島」で地価爆上げの理由

沖縄県の住宅地地価…上昇率で注目のエリアは?

前年との変動率で、注目のエリアを見ていきます。トップは「宮古島市城辺字保良村内」で前年比9.40%の上昇を記録。宮古市中心部から車で20分ほど。海岸線からもほど近い郊外の集落といった雰囲気のエリアです(関連記事:『【2021年】沖縄県「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。

 

近年、宮古島は「不動産バブル」といわれ、地価上昇が顕著になっています。地価上昇にはいくつかの理由があり、最も大きな理由がインバウンド。2019年3月には国際空港の「下地島空港」が開港。豪華クルーズ船の寄港も相次ぎ、外国人観光客が一気に増加しました。

 

また2015年に、全長3.54キロの無料通行できる国内最長の「伊良部大橋」が開通。下地島空港から宮古島の市街地までつながったという利便性はもちろん、美しい景観が話題を呼び、観光客の増加につながりました。

 

このような背景から宮古島ではホテルの建設ラッシュが起きる一方、建設作業員を受け入れる不動産の不足から「需要>供給」の状態に。結果、地価上昇を招いているといわれています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

【沖縄県「住宅地の地価対前年変動率」ベスト10(住宅地)】

1位「沖縄県宮古島市城辺字保良村内507番」9.40%

2位「沖縄県中頭郡西原町字我謝前原186番 」8.90%

2位「沖縄県島尻郡八重瀬町字伊覇西大越地原67番1」8.70%

4位「沖縄県宮古島市平良字西里アラバ1537番3」7.60%

5位「沖縄県宮古島市城辺字砂川島中原102番」7.60%

6位「沖縄県うるま市石川東山1丁目15番4外」7.30%

7位「沖縄県宜野湾市志真志4丁目589番5」6.70%

8位「沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場喜舎場原107番」6.50%

9位「沖縄県宮古島市上野字上野ソバンメ394番15」6.10%

 

出所:2021年地価調査(7月1日時点)より

(かっこ)内は対前年変動比

 

沖縄県では都心部では観光客の大幅な減少の影響を受け、地価は減少傾向にあったものの、そのほかの地域では根強い人気で、全体的には上昇をキープしました。特に観光地としての魅力が増している宮古島は現在、不動産バブルと称されるほどで、都市部から離れた郊外の集落でも地価は大きく上昇。今後の動向にも注目が集まっています。