日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は貯蓄額から負債額を引いた「純資産額」に焦点をあてていきます。
平均537万円…「日本人の純貯蓄額」他人事ではない「余裕のなさ」 ※画像はイメージです/PIXTA

平均純貯蓄額「527万円」…実現できる年収の目安は?

――500万円超……平均にするとそんなに貯蓄があるんだ。

 

そうため息をついた人もいるのではないでしょうか。さらに世帯主の年収ごとに純貯蓄額を見ていきましょう。

 

当然、年収が増えていけば純貯蓄額はアップ。平均である527万円に近くなるのは、世帯主年収500万~600万円の世帯。これだけあれば、平均的な貯蓄額をクリアできる可能性が高くなるといえそうです。

 

【世帯主の年収別「純貯蓄額」】

「200万円未満」159万円

「200万~250万円未満」206万円

「250万~300万円未満」275万円

「300万~350万円未満」311万円

「350万~400万円未満」364万円

「400万~450万円未満」398万円

「450万~500万円未満」469万円

「500万~550万円未満」513万円

「550万~600万円未満」565万円

「600万~650万円未満」590万円

「650万~700万円未満」653万円

「700万~750万円未満」695万円

「750万~800万円未満」741万円

「800万~900万円未満」822万円

「900万~1000万円未満」924万円

「1000万~1250万円未満」1,055万円

「1250万~1500万円未満」1315万円

「1500万円以上」1592万円

 

出所:総務省『家計調査 貯蓄・負債編 2020年』より作成

※二人以上世帯/勤労世帯

 

さらに都道府県ごとに見ていきましょう。まず貯蓄額が最も多いのは「東京都」で2542万円。「愛知県」2333万円、「千葉県」2207万円、「神奈川県」2163万円、「徳島県」2098万円と続きます。

 

一方、負債額が少ないのは「沖縄県」で236万円。「長崎県」304万円、「福井県」358万円、「高知県」393万円、「福島県」423万円と続きます。「沖縄県」は持ち家率が53.7%と低く、その分、負債額も低い傾向にあると考えられます。

 

「純貯蓄額」が最も多いのは、「東京都」で1752万円。「千葉県」1631万円、「神奈川県」1616万円、「奈良県」1546万円、「徳島県」1503万円と続きます。

 

【都道府県「純貯蓄額」トップ10】

1位「東京都」1,752万円

2位「千葉県」1,631万円

3位「神奈川県」1,616万円

4位「奈良県」1,546万円

5位「徳島県」1,503万円

6位「愛知県」1,488万円

7位「富山県」1,463万円

8位「岐阜県」1,426万円

9位「福井県」1,392万円

10位「茨城県」1,358万円

 

出所:総務省『家計調査 貯蓄・負債編 2020年』より作成

※二人以上世帯/勤労世帯

 

いったい貯蓄がいくらあればいいのか。ライフスタイルも考え方も人それぞれですから、はっきりということはできません。ただ将来、多くの人が年金が頼りの生活になることを考えると「貯められるときに貯める」というのは、共通の答えだといえるでしょう。