家計調査で明らかになった大阪府・勤労世帯の家計
次に大阪府の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』から、二人以上世帯/勤労世帯で見ていきます。参考にする『家計調査』では県庁所在地を調査対象とし、以下は大阪市のデータを用いています。大阪府全体の実情とは異なる可能性があることは留意ください。
大阪府の勤労世帯(世帯人員3.30人、世帯主年齢1.76歳)の持ち家率は74.4%(全国平均80.1%)、配偶者(女性)の有業率は49.9%(全国平均54.7%)。大都市としては持ち家率は高いものの、全国平均との比較では賃貸志向の人が多いといえ、また専業主婦も多い土地柄といえます。
平均世帯収入は54万8425円で、1ヵ月の消費支出は35万1513円。ともに全国平均を6万円ほど下回っています。そのようななか、全国平均との乖離が大きいのが「交通・通信費」で月々2万9791円と、全国平均を2万円ほど下回っています。この項目の多くを占めていると考えられるのが、いまや生活必需品となった「スマフォ」の通信費。生活に欠かせないものだからこそ、無駄は排除する、お得なものを探す、という志向が強いのだと考えられます。
【大阪府の「勤労世帯」家計の平均値】
■実収入 54万8425円(60万9535円)
「世帯主の収入(うち男)」36万4943円(41万0324円)
「世帯主の配偶者の収入(うち女)」7万3621円(8万7666円)
■実支出 35万7274円(41万6707円)
「消費支出」27万6430円(30万5811円)
食料 7万9317円(7万9496円)
住居 2万6200円(1万8824円)
光熱・水道 1万9835円(2万1696円)
家具・家事用品 1万0735円(1万3364円)
被服及び履物 1万0455円(1万0654円)
保健医療 1万1966円(1万3068円)
交通・通信 2万9791円(4万9469円)
教育 1万8821円(1万6548円)
教養娯楽 2万0874円(2万6824円)
その他の消費支出 4万8438円(5万5868円)
「非消費支出(直接税、社会保険料等)」8万0843円(11万0896円)
出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より
※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない
※(かっこ)ない数値は全国平均
また黒字額(所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いたもの)は19万1151円(全国平均19万2828円)で、黒字率40.9%(全国平均38.7%)、平均消費性向は59.1%(全国平均61.3%)。収入は全国平均を下回りながらも、黒字額は全国平均と同水準。「徹底的に節約、徹底的に無駄は排除、ガッチリ貯め込む」…そんな県民性を垣間見ることができます。