FX初心者はほど「リスク管理」を軽視しがち。結果、大きな損失を被ってしまうことも珍しくありません。リスク管理を徹底するには、どのような注文方法が良いのか、見ていきましょう。
危険!「リスク管理」を軽視するFX初心者…大損を防ぐための注文方法 ※画像はイメージです/PIXTA

FXトレードの基本的な注文方法

FXトレードには様々な注文方法がありますが、基本となるのは「成行注文」です。成行注文は、「今すぐに取引を確定させる」という注文方法となっていて誰にでも分かりやすい注文方法です。

 

もう1つ基本となる注文方法としては「指値注文・逆指値注文」があります。この注文方法の特徴としては、「希望の売買レートになったタイミングで取引を行う」というものになっていて、取引の予約をしておくことで、取引画面を見ていなくても取引を確定させられる注文方法です。

 

FXの注文方法は、この「指値注文」を組み合わせることによって自動化するのが特徴となっています。それでは、代表的な注文方法について見ていきましょう。

2つの注文予約が同時に出せる「OCO注文」

OCO注文は「One Cancels the Other」の略称となっていて、「オーシーオー注文」と読みます。

 

この注文方法の特徴としては、「内容が異なる2つの注文を同時に予約して、どちらかの注文が成立した時点でもう片方の注文を自動でキャンセルしてくれる」という注文方法です。具体例としては、1ドル=110円のときに買いポジションを持ったとして、「115円になったら売る」という注文と「108円になったら売る」という注文の2つを1つの注文方法で決定することができます。

 

この注文方法を使用することでどのようなメリットがあるのかというと、「利益確定と損切をまとめて設定できる」という点にあります。すでに買いポジションを持っているので、今の相場よりも上がって指定した相場に到達すれば利益確定となり、相場が下がってしまって指定した部分に到達すると損切ができます。前もって自動で設定しておけば相場の上下に心が乱されることもありませんので、機械的に取引をすることが可能です。

買い(売り)から売り(買い)までを1回で済ませる「IFD注文」

IFD注文の特徴としては、ポジションの約定から決済までを1つの注文で完結できるということが挙げられます。

 

具体例としては、1ドル=110円の状態で「108円になったら買いポジションを建てて、112円になったら売る」というIFD注文をしたとします。この状態だと、相場が108円に到達するまでは何のアクションも起きませんが、108円の相場に触れた瞬間に「買い注文」が発生して、相場が112円になると「売り注文」が発生する仕組みです。

 

ポイントとしては、IFD注文を設定しておくと「ポジションを建てる」という状態から「ポジションを決済する」というトレードまでを全て設定することができるので、取引の管理がやりやすいというメリットがあります。1つ目の条件を達成しないと2つ目の注文が履行されない仕組みなので、中長期的にチャート画面から離れるときでも安心して取引をすることができます。

 

ただし、ポジションを持った後に履行できる予定は1つだけとなっているので、「ポジションを持った後に相場が悪くなったから損切をしたい」という場合は利用することができません。そのため、リスク管理という点では少し甘くなっているのがIFD注文の特徴となっています。

OCO注文とIFD注文を組み合わせた「IFO注文」

IFO注文というのは、「イフダン・オーシーオー注文」とも呼ばれ、簡単に言えば上記で紹介したOCO注文とIFD注文を組み合わせた注文方法となっています。

 

IFD注文の特徴としては、「ポジションの約定から決済までを1つの注文で完結できる」ということでしたが、ポジションを持った後に履行できる注文は1つだけという欠点がありました。OCO注文の場合は「ポジションを持っている状態で、2つの決済を予約して、どちらかが成立した時点で成立しなかったほうの予約を取り消す」という特徴を持っています。

 

しかしOCO注文の場合は「予めポジションを持っている状態からスタートする」というのがネックになっていました。そこでIFO注文の場合は、下記のような特徴があります。

 

・ ポジションの約定から予約することができる

・ ポジションを持った後はOCO注文のように2つの決済の予約ができる

・ 決済された時点で、もう片方の予約は取り消される

 

このようになっていて、OCO注文とIFD注文の良いところを兼ね備えて、欠点となっていた部分を補っているのがIFO注文のポイントとなっています。