スーツにかけるお金は、年収の3%で3着
あなたのワードローブを確認してみてください。スーツを何着持っていますか? それぞれのスーツの色は? いつごろ買ったものですか?
スーツはシャツと違って、いちばん外側に着るものですから、あなたの第一印象を左右する重要な要素である、と言っても過言ではありません。
なぜなら、ビジネスシーンにおいては「なんとなく、この人仕事ができそう」と見えるのか、「なんか野暮ったくて仕事ができなさそう」と見えるのか、「なんだか派手で、信用できなさそう」と見えるのか、それらの印象をスーツが決めてしまうことが少なくないのです。
では、どんなスーツを、何着持っていれば、あらゆるビジネスシーンに対応して、あなたを「仕事ができそう」に見せてくれるのでしょうか。
スーツの価格や品質はピンキリです。スーツ量販店の既製品スーツのように、企業努力で費用対効果の高い、良品なスーツはたくさんあります。必ずしも価格と比例しないという一面もあるのですが、やはりわかりやすい目安は価格になります。
目安として、日常に着るスーツにかけるお金は「年収の3%で3着」とお伝えしています。これは、標準的なビジネスマンの場合です。年収が800万円であれば24万円、500万円であれば15万円です。本記事では、年収500万円の方を想定して、トータル15万円で3着のスーツを提案します。
もっとも、セミナー講師やコンサルタントなど、見た目の第一印象が重要な職種の方の場合、さらなる信頼を得るためにお金をかけたほうが、年収増に直結します。
紺色だけで3着のスーツを揃えましょう
まず、私が提案する15万円で揃えるべき3着のスーツの内訳を紹介しましょう。スーツの基本として3着。フォーマルやクールビズなど、特別な場面を除けば、毎日スーツを着る人であっても3着あれば着まわすことができます。
そして、色は紺。紺だけで3着です。多くの本や雑誌、インターネットなどを見ると、「紺とグレー」の組み合わせを提案しているものが非常に多いのですが、私は、あえて紺だけで3着用意することをおすすめします。その理由はいくつかあります。
●グレーは意外と着こなしにくい
明るめのライトグレーから、黒に近いチャコールグレーまで、グレーは本当に色数が多いのです。ですが、スーツに使われる一般的な、やや暗めのグレーは「ちょっと疲れた」感じを与えてしまいがちな色です。
素材によほど高級感がないと、着こなすのが難しいのです。素材の良し悪しが生地の印象に直結しやすいこともあり、日々のスーツとしてグレーを選ぶのは、やや「危険」が伴います。
●紺といっても非常に種類が多い
一口に紺(ネイビー)といっても、非常にたくさんの種類があります。生地の色だけでなく、織り方や素材の違いによって、印象がかなり異なるのです。さらにそこに、ストライプを加えると、ネイビーの種類は無限。印象もそれぞれまったく異なります。
同じダークネイビーでも、素材の織り方、糸の混率で違う表情の紺を選ぶことで、毎日着まわしていても、「あの人、いつも紺のスーツだよね」と思われることはまずありません。
●一色にすることでコーディネートに統一感ができる
実はこれが重要です。スーツを着用する際には、シャツ、ネクタイ、靴、さらにはカフスやタイピンといった小物も使います。問題は、ネクタイの色合わせです。グレーと紺の2色を着まわすとなると、ネクタイはそれぞれに応じたものを毎朝選ばなければなりません。
その点、紺で統一しておくと、ある程度のバリエーションのネクタイを用意しておけば、どのスーツにも使うことができます。
出かける前にワードローブの洋服を並べて、今日のコーディネイトを考える――女性にとっては当たり前のことですが、男性でここまでやる人は決して多くありません。
その点、スーツを紺で統一しておけば、あまり考えずにネクタイを選んでも、おかしなコーディネートにはならないのです。
ビジネス用の実用的なスーツの着まわしとしては、現実的であり、なおかつ理想的なのではないでしょうか。これが、私が紺だけでスーツを選ぶことをおすすめする理由です。